2024年11月23日

【24年度JCJ賞受賞者スピーチ】大賞 「裏金は政治犯罪」自民に激震 政治を歪める企業献金 しんぶん赤旗日曜版・山本 豊彦さん=廣瀬 功

 赤旗日曜版編集部・編集長の山本豊彦です。記者、新聞を配達・集金してくださる皆さんや読者の方ともども大賞受賞を喜んでいます。
この場に立ち、私は嬉しいと同時に非常に緊張しています。受賞者の皆さんのスピーチに励まされる一方、今後も恥ずかしくない仕事をやっていかなくてはという思い、私たちが取材で気づかなかったことの学びの場だからです。
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 4年前「桜を見る会」で大賞受賞のあと、朝日新聞の『ジャーナリズム』誌に藤森(JCJ代表委員)さんの「政党機関紙が活躍する時代」と銘打った論文が載りました。本当にこの場は、私たちにとって大事な場。「これ一回では終われない」。と思いました。
裏金問題の贈賞理由コメントは本当に的確で、しかも核心を突くものでした。指摘された「それが大政治犯罪であることを明らかにした」にはハッとしました。「あっ我々はこういうことをやってきたんだ」と、改めて知らされました。
 岸田政権が裏金問題で倒れ、誕生した石破政権は就任会見で、裏金問題を「単に一部議員の話」と他人事で語り、「新しい事実が判明すれば調査が必要だがそういう状況にない」と述べました。

「それなら再調査の必要を示そう」と私たちは、日曜版で「石破派も裏金があった」と報じ、朝日新聞は一面で記事を後追い。今日の講演者上脇さんも直ちに告発してくださいました。裏金問題は一部議員の問題ではない。自民党の組織的犯罪、大政治犯罪であるということが大事な点だと思っています。
 私たちは政治資金パーティーが企業団体献金の大きな抜け穴になっているという問題意識をずっと持ち、長年、追ってきました。それは企業団体献金が政治をカネで歪める、民主主義にとって非常に重大な問題だと思っているからです。
「取材チームは何人ぐらい」とメディアによく聞かれます。実は、会場に来ている山田健介デスクと笹川神由(かみゆ)記者の2人です。

ノンフィクション作家の清武英利さんは編集部を覗きに来られ、「少数精鋭は、精鋭を少数集めることではなく少数だから精鋭になっていくという言葉を思い出した」「特ダネを生むのは経験や学歴、記者動員力ではなく記者個人の問題意識と、あれ、変だぞという違和感」との談話を寄せてくださいました。

 法政大学の前学長で名誉教授の田中優子さんは「ひどいニュースが多い中で、ジャーナリストの調査と市民の告発の連携が政治家の不正を追い詰めたことは希望が持てる。私たち市民はいっそうジャーナリストと連携していかなければならない」と、東京新聞に書かれています。
本当にこれを読んで嬉しく思いました。私たちがこれから目指す方向も、やはり市民の皆さんと連携していくことだと思っております。今後も市民の皆さんと連携し、権力監視を続けていくことをお約束し、受賞のあいさつとしたいと思います。ありがとうございました。   
    JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年10月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 24年度JCJ賞受賞者スピーチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする