政府は11月26日、経済安保に関する重要情報の保全(経済安保新法)を目的に、公務員や民間人を国が身辺調査し、信頼ができると認めた人だけが情報を扱う「セキュリティー・クリアランス(SC、適性評価)」の運用基準案を明らかにした。
同案によると、同意を得た評価対象への質問票は35ページで、アルバイトを含む職歴や渡航歴、精神疾患の有無、飲酒の節度、外国の金融機関口座の保有、家族・同居人の国籍、配偶者の父母らの国籍などを書き込む。私生活に踏み込み、プライバシー侵害の恐れがある内容だ
筆者は6月に「知る権利とプライバシー侵害、経済安保新法、秘密保護法と一体運用、身辺調査拒めば不利益も」と題した記事を本紙に掲載している。(https://blog.seesaa.jp/cms/article/edit/input?id=503555257)
取材したSC制度に詳しい海渡双葉弁護士は「候補者名簿に載せることに同意しない、調査を拒む、適性がないとされたら働いている今の部署から異動になる。出世コースから外れた、居づらい、合わない仕事を押し付けられるなどの理由で退職もあり得ます。不利益な扱いを受け人生設計がくるう。人権侵害です」と述べている。
SC制度は意見募集(パブコメ)を経て来年1月にも閣議決定する。関連法が成立後、5月までに施行される。
海渡弁護士はこう語っている。
「反対運動を拡大させることが重要です。運用基準案についてパブリックコメントが実施される。パブコメに問題点を書き込む。世論の強い反対によって使いづらい法律≠ノ変えることはできます」
諦めてはダメだというのだ。
パブコメに反対の声をどんどん寄せよう