2024年12月11日

【国会前集会】「憲法を守れ」総選挙後初 2300人集会 安倍元首相襲撃裁判開かれぬ裏に 被爆国日本の国際的使命は=保坂 義久

 自公与党が過半数割れしてから初めての大集会『憲法変えさせない!戦争反対!今こそ平和と人権11.3国会大行動』が、11月3日に国会正門前で開かれた。主催者の開会挨拶に続き、野党3党の代表が発言した。

国会内は右ぶれ
軍拡懸念は続く

 社民党党首の福島瑞穂氏は、「自公過半数割れに追い込んだが、国会内は右ぶれしているともいえる」とし、「秘密保護法、共謀罪……重要土地規制法…」と法律名を並べて、平和憲法がいかに蔑ろにされているかを訴えた。さらに沖縄、南西諸島、九州における軍拡状況に懸念を示した。
 共産党書記局長の小池晃氏は、「与党敗北に共産党機関紙『赤旗』の裏金問題報道、2000万円の自民党非公認議員への配布報道が大きな役割を発揮した」が、「議席を減らしたことは重大な反省点」と語った
 立憲民主党の有田芳生氏は、「立憲民主党は50議席増だが、比例区では7万票しか増えていない。小選挙区では全国で147万票減らしている」と冷静に分析。「まっとうな野党とまっとうな労働組合と市民の力」で勝ち抜いていくと来年の都議選や参院選を展望した。
 次に「日韓和解と平和プラットフォーム運営委員会」と「在日ビルマ労働組合」からのメッセージが読み上げられた。

           参院選展望した冷静な分析も
市民の知る権利
侵害されている


 メインスピーチは、安全保障法制に反対する学者の会呼びかけ人の高山佳奈子氏。刑法が専門の高山氏は、安倍晋三元首相襲撃事件の裁判がいまだ開始されないことをあげ、複雑な組織犯罪でもなく、容疑者の責任能力もあると思われる事件が、3年近く開かれないことは異常だと指摘、市民の知る権利が侵害されていると語った。
 高山氏は安倍元首相襲撃の真相が明らかにされると不都合なのは旧統一教会。旧統一教会は今でも与野党の議員の選挙を手伝っているとした。高山氏は、「ある程度の年齢の人は、オウム真理教や旧統一教会の活動を知っているはず。それを知らないというのはウソをついているか、全く社会に関心がなく、政治家に向かない人」と皮肉をきかせて政治家の旧統一教会隠しを批判した。

学術会議の介入
拒否リスト存在
 また日本学術時会議の任命拒否についても、裁判が起こされてその公判手続きの中で、菅義偉政権の前の安倍政権の時から、この人物が選任されたら拒否すると名指ししたリストの存在が明らかになったと語った。ただ詳しい経緯は資料が黒塗りでわからないという。
 さらに国立法大学人法が改正されて、経済人を中心とした運営方針会議が学長よりも力を持つことなった。「国際法秩序の中で、被爆国日本に特別に課せられた使命は核軍縮を推進することだ」など、高山氏の論点は多岐にわたった。

住民の不安募る
オスプレイ配備

 スピーチの最後は、木更津と横須賀で運動している市民からの報告。
 まず自衛隊木更津基地でのオスプレイの機体整備と暫定配備に反対している護憲原水禁千葉県実行委員会の武藤美好氏が報告した。オスプレイの機体整備は、当初1機3、4カ月と説明されていたが実際には20カ月以上かかっている。オスプレイはこの2年間で4件の死亡事故を起こして、基地周辺住民は不安を募らせている。
 ヨコスカ平和船団の新倉裕史氏は自衛隊が導入を決めた巡行ミサイル・トマホークについて発言した。新倉氏は「トマホークは、今年1月にもイエメンの港湾施設に対して使用された。ヨコスカに配備されている米軍の11隻のイージス艦は全てトマホークが配備されている」とし、湾岸戦争以来、アメリカの軍事行動で使用され続けてきたトマホークの導入に警告した。
 最後の行動提起で参加者数は2300人と報告された
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年11月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする