2024年12月23日

【JCJ12月集会アピール】戦争をくいとめるために=日本ジャーナリスト会議

 今から83 年前の12 月8 日、日本海軍の真珠湾奇襲攻撃で、太平洋戦争が始まりました。中国での戦争が膠着化するなかで、ラジオの勇ましい大本営発表のニュースに多くの国民が熱狂し、この戦争を支持しました。その3 年8 カ月後に、多くの人が犠牲になり、国土が焦土化し敗戦を迎えることを、この時、予想した人はほとんどいなかったのではないでしょうか。

 しかし、歴史を振り返れば、そもそも初めから勝目などない戦争であることを知りながら「勝つだろう」などと空虚な希望的観測のもとに、軍や政府が戦争へと踏み込んでいったことを知ることができます。人のかけがえのない命や暮らしを戦火に投げ込んだ権力者たちに、大きなりを覚えます。そして、無批判に軍に雷同し、事実を伝えず、率先して国民を戦争に駆り立てていった当時の新聞、ラジオといったメディアの責任の大きさも、改めて指摘するまでもありません。

 私たちは、もう間もなく戦後80 年、という節目を迎えます。「もはや戦後ではない」とする言説もありますが、次の戦争を起こさないためにも「戦後〇年」という区切りは、大事な防波堤の役割を果たすのではないでしょうか。
 一方で戦後80 年の2025 年は、集団的自衛権の発動を可能にした安保法制が成立してから10 年になります。“ 安倍一強” の自公政権が進めてきた、日本を「戦争ができる国」にする政策は、ついに「敵基地攻撃能力」の保持に至り、防衛費が大幅に増額されるほか、米軍の基地負担に苦しむ沖縄には追い討ちをかけるように自衛隊の新しい基地や施設が次々に建設・整備されています。

 「二度と戦争のために、ペン、カメラ、マイクを持たない」との決意のもとに設立された日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、軍拡に抗い平和を守る取り組みとして、8 月集会を開催したのに続き、本日ここに12 月集会の場を持ちました。今回のテーマは、「なぜ戦争を止められなかったのか」。集会での講演・シンポジウムを通して、この問題を考えることは実はコインの表裏のように「どうすれば戦争をくいとめられるか」を考えることにもつながりました。過去から学び、二度と戦争への道に踏み込んではならない、そのために私たちが、日常の中でできることは何なのか。

 JCJ は本日の12 月集会の成果をもとに、来年の戦後80 年も引き続き「戦争の準備」ではなく「平和の構築」を目指して、市民のみなさまと一緒に活動を進めていきます。
                 2024 年12 月22 日 日本ジャーナリスト会議(JCJ)
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | お知らせ&行動要請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする