2024年12月29日

【沖縄リポート】土砂搬出、山が消えら台風直撃=浦島 悦子

               
4面 沖縄リポート 奄美市要請 (002).jpg
  
 辺野古新基地建設を強行する沖縄防衛局の横暴が留まるところを知らない。
 沖縄戦の遺骨が混じる南部の土砂採掘が県民の強い反対で暗礁に乗り上げる中、奄美大島からの埋立用資材調達が再び浮上。奄美大島4市町村の採石場と港湾を9月に視察し、住民の深刻な被害状況の訴えを受けた辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会の阿部悦子代表らは各市町村宛て要請行動に取り組んだ=写真=。
 奄美大島には多くの採石場があり、住民はこれまでも粉塵・騒音・振動・赤土流出による海の汚染に悩まされてきた。
 11月20日、うるま市宮城島から辺野古埋立用石材・土砂搬出が突如として始まった。宮城島は沖縄島中部の与勝半島から海中道路を通り、隣の平安座島、伊計島と橋でつながる小さな島で、採石場の規模も小さく、埋立土砂全体の1%余を賄うに過ぎない。これも国の焦りの表れだろう。
 採石場入口に駆けつけたある島民は「採石場の山は台風から島を守ってくれる大切な場所。これがなくなったら島に住めなくなるのではないか」と悲痛な声を上げた。

 また、大浦湾に隣接する名護市安部区には、沖縄海洋資源開発(株)なる業者が200万円を持って訪れ、海砂採取への協力を求めたが、区長は受け取りを拒否。区民臨時総会の全会一致で断固反対の決議を上げた。長年の海砂採取で海や生活環境を破壊され、これ以上は我慢ならないという区民の総意だ。

 一方、沖縄防衛局は6月末の安和桟橋での死傷事故以来中止していた塩川港からの土砂搬出を12月2日に強行した。事故の原因究明もせず、市民の抗議行動を「妨害行為」と臆面もなく言いつのる防衛局の悪質さは度を越している。

 土砂全協は早ければ来年度にも動き出しそうな奄美大島からの石材・土砂搬出の断念を求めて、緊急全国署名(第一次集約は1月末)を開始した。是非多くのご協力をお願いしたい。
         JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年12月25日号
 
       

posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする