どこまで沖縄をバカにするつもりなのか!
今も暮らしの中に旧暦が息づくウチナーンチュにとって、旧正月は新正月に劣らず大切な日だ。県内各漁港では、各船に大漁旗や松飾などを掲げて祝う。よりによってその旧正月=1月29日に、国は大浦湾の軟弱地盤に砂杭を打ち込む作業を開始した。予定している約7万1千本の杭打ちの手始めだという。
しかし、前号でも述べたように、砂の調達の目途は立っていない。大浦湾に入港した3隻のサンドコンパクション船(砂杭を打設する作業船)のうち稼働しているのは1隻のみで、他の2隻はただ停泊して税金を浪費しているだけ。海中に打ち込む70mの鋼管ドリルが船上に聳える様は、威嚇が目的かと思わせる=写真=。
今や作業船の陳列場と化した感のある大浦湾を日々眺めながら、このあまりにも馬鹿げた工事を1日も早く止めたいと願うばかりだ。
一方、米軍基地に加え、我が名護市でも自衛隊の動きが怪しくなってきた。
1月16日夜遅く、「明日、名護市で陸上自衛隊の訓練があるらしい」と知人から連絡があり、名護市のHPを見ると「お知らせ」として陸自第15旅団による「防災訓練の実施」の通知が出ていた。
1月17日は阪神大震災から30年の節目の日だ。その日にかこつけて「防災訓練」? しかしその内容は、市内各所で「初動部隊展開訓練、航空機離発着訓練、山地機動訓練及び情報収集訓練、徒歩行進訓練」とあり、どう見ても軍事訓練だ。しかも通知は直前の前夜。
訓練場所の一つとして、私の居住区に隣接する汀間地区があったので、翌朝、汀間区公民館に行って聞いてみた。名護市から何の連絡もないという。汀間だけでなく近隣各区の区長も区民も全く知らなかった。汀間地区での「山地機動訓練」がどこでどのように行われたのか、誰も知らない。住民不在の「防災訓練」とは聞いてあきれる!
18日の地元紙報道によると、名護市内を自衛隊が制服姿で行軍したという。市民を軍事行動に慣れさせるための訓練か?と思わざるを得ない。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年2月25日号