2008年11月17日

NHK経営委員候補者の推薦に関する申し入れ―経営委員の選任に当たって―

2008年11月14日

(宛先=内閣総理大臣・総務大臣 各通)

NHK経営委員候補者の推薦に関する申し入れ
――経営委員の選任に当たって――

 
開かれたNHK経営委員会をめざす会(世話人代表:松田浩 桂敬一 野中章弘)
参加団体:
NHK問題京都連絡会
NHK問題を考える会(兵庫)
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
日本ジャーナリスト会議 
放送を語る会

 時下、貴殿におかれましては政務にご多用の毎日と存じます。来る12月に4名のNHK経営委員が任期満了を迎えるのに伴い、新しい委員の選任が行われようとしております。私たちは、さきに視聴者主権のNHKをめざす運動の一環としてNHK経営委員の公募・推薦制と古森重隆氏の不再任を求める申入れを行いましたが、今回、公募・推薦制を推進する趣旨から桂敬一さん(マスコミ研究者、元東大教授)と湯山哲守さん(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表・元京都大学人間環境学研究科専任講師)のお二人を、経営委員として推薦申し上げます。

 公共放送NHKが言論・報道機関として民主主義社会に果たす役割を考えるとき、私たちはその最高意思決定機関である経営委員会メンバーの選出手続きに、重大な関心を持たざるを得ません。求められるのは、選出プロセスにおける公開性と視聴者参加性であり、選出基準の明確化です。私たちは、その選出基準を、放送法の精神に即して、公共放送のジャーナリズム機能と文化的役割について高い見識を持ち、権力からの自主・自立を貫ける人物かどうかに置くべきだと考えます。

 伝えられるところによれば、政府は再任の2名(多賀谷一照、篠崎悦子両委員)などのほか、新たに前田晃伸・みずほフィナンシャルグループ社長と桑野和泉・湯布院温泉「玉の湯」社長を経営委員候補に指名し、衆参両院の同意を求める方針といいます。私たちは特定の経営委員ポストを財界人の指定席としてたらい回しする政府のこうした視聴者不在の委員選考のあり方に強く反対します。

 今回推薦した桂敬一さんは、日本におけるジャーナリズム研究の第一人者であり、すぐれた見識と知性を兼ね備えたジャーナリスト・文化人です。長年、教壇と論壇でメディアを論じ、テレビ朝日の番組審議会委員長を9年間にわたって務めるなど、放送の公共性やNHK問題についても深い造詣の持ち主です。また湯山哲守さんは、物理学の研究者、そして学園の民主化運動のリーダーとして豊な学識と高い見識を備え、公共放送のあり方についても「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」の共同代表者として、優れた識見で多くの人々の支持を得ています。ともに経営委員の最適任者と確信します。

 公共放送の経営委員選任については、イギリスが1998年に公募制を導入、その他の国々でも民意を代表する優れた人材を選ぶ仕組みがさまざまに工夫・採用されています。私たちは、今回の推薦活動がきっかけとなって国会内外で活発な論議がたたかわされ、「自主・自立の砦」であるべき経営委員会の担い手として真にふさわしい顔ぶれが委員に選任されることを強く期待するものです。

桂敬一さんの略歴:    
 1935年、東京生まれ。マスコミ研究者。73歳。東京外語大フランス語科卒。59年、日本新聞協会職員となり、日本記者クラブ出向(総務部長)、日本新聞協会研究所所長などを経て、88年 に東大新聞研究所(現・情報学環)教授に就任。その後、立命館大学、東京情報大学、立正大学の各教授を歴任。この間、日本マス・コミュニケーション学会理事、郵政省メディア・ソフト研究会メディア・ルール委員会委員長のほか、テレビ朝日の番組審議会委員長を9年間にわたって務める。
 専門は社会情報学、マス・メディア産業論、ジャーナリズム論。主な著書は『現代の新聞』(岩波書店)、『明治・大正のジャーナリズム』(同)、『日本の情報化とジャーナリズム』(日本評論社)、『新版・新聞学』(共編著、同)、『メディアと情報化の現在』(同)、『新聞業界』(共編著、教育社)、『21世紀のマスコミ・全5巻』(共編著・編集代表、大月書店)、『情報法入門』(共著、法律文化社)、『社会情報学ハンドブック』(共著、東京大学出版会)など多数。

湯山哲守さんの略歴
 1944年、静岡県三島市生まれ。物理学研究者。64歳。68年、京都大学理学部卒。京都薬科大学助手、京都大学教養部・物理学教室助手、京都大学総合人間学部助手等を経て、06年、京都大学人間環境学研究科・相関環境学専攻物質相関論講座講師。08年定年退職。京都大学博士(理学、2000年に授与)。
 京都大学助手時代には職員組合副委員長を務めた。相次ぐNHKの不祥事を機に公共放送の受信料制度、政治との関わりに関心を寄せ、NHK視聴者運動に参加。07年2月よりNHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表。08年6月より憲法9条京都の会世話人。
 主な論文:
 Yuyama,T., Michishita,T., Kubo, H. and Hosokawa,M.,Analysis of Hard X-Ray Continuum from Hot Electrons in Nagoya Bumpy Torus, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.32,Part 1,No.12A,5711-5716 ,1993;  Yuyama,T., An Energy Limit of Hot Electrons in a Bumpy Torus, Journal of the Physical Society of Japan, Vol.69, No.7, 2049-2059 , 2000;「核兵器廃絶への道と反核運動」(『憲法を活かす力とロマン』文理閣);「あまりにも稚拙な判決-『NHK番組改ざ
ん裁判』最高裁判決についての感想」(NHK問題京都連絡会ニュースNO7)など。

posted by JCJ at 03:16 | TrackBack(0) | パブリック・コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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