2009年07月26日

マスコミ気象台

◇貴乃花親方名誉棄損訴訟、講談社社長も賠償責任
大相撲元横綱の貴乃花親方と妻の景子さんが、「週刊現代」などの記事で名誉を傷つけられたとして、講談社の野間佐和子社長らに7380万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は13日、847万円の支払いと謝罪広告の掲載を命じた。大段亨裁判長は、遺産相続などを巡る一連の記事について「大半が真実と認められない」と指摘。「名誉棄損などの権利侵害を防止する態勢が整備されていない」と社長個人の賠償も認定した。(「毎日」7月14日付ほか)

◇「無罪」の刑事補償を〜横浜事件弁護側が意見書
戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」の第4次再審で免訴判決が確定した元改造社編集部員小野康人さん(故人)の遺族が申し立てた刑事補償請求で、遺族側の弁護団は13日、「横浜事件の犠牲者が全員無実だったことを明らかにした決定が出されるよう切望する」などとして、請求通りの支払いを求める意見書を横浜地裁に提出した。同地裁は今後、検察官の意見も聞いて補償するかどうかを決定する。(「神奈川」7月14日付ほか)

◇米MS、次期オフィス無償提供〜ネットで簡易版、グーグルに対抗
米マイクロソフトは13日、文書作成や表計算などができる統合ビジネスソフト「オフィス」の次期製品について、簡易版をインターネットを経由し無償提供する計画を発表した。グーグルなどがネット提供ソフトを拡充していることに対抗し、07年秋に始めた各種ソフトの無償サービスを通じて提供、利用者を囲い込む戦略だ。(「毎日」7月14日付夕刊ほか)

◇BBC衛星テレビ脅威に〜イラン、英国非難
イラン政府が先の大統領選後の社会混乱で、非難の矛先を英国に向けた背景として、英BBCが今年1月に放送を始めたペルシャ語衛星テレビの存在が浮上している。BBCはイラン当局の電波妨害に遭いながらも、イラン国内の視聴者から送られてくるデモの映像などを放送し続けている。改革派デモの拡大を懸念し報道規制を強めるイラン政府にとって、空から舞い降りる「映像」は大きな脅威となっているようだ。(「毎日」7月14日付夕刊ほか)

◇NHK台湾番組問題、経営委員会で議論へ
日本の台湾植民地統治を描いたNHK番組「JAPANデビュー第1回『アジアの“一等国”』」が、「反日的」だと自民党国会議員や右派勢力などから攻撃されている問題で、NHK経営委員会の小丸成洋委員長は14日、「経営委員会のなかで(番組を)議論したい」との考えを示した。定例会見での記者の質問に答えたもの。(「しんぶん赤旗」7月14日付ほか)

◇「ビジネスウイーク」売却検討
米出版・情報サービス大手マグロウヒルは13日、傘下のビジネス誌「ビジネスウイーク」の売却を検討していることを明らかにした。声明で「戦略的な選択肢を考えている」と説明した。同誌は世界恐慌が起きた1929年に創刊。ビジネスマンを中心に購読されているが、ネットの台頭や景気後退の影響で低迷が続いていた。(「日経」7月14日付夕刊ほか)

◇シナリオ協会、原作・絲山さんを提訴〜「脚本出版拒否、契約違反」
映画「やわらかい生活」の脚本の出版を拒否したのは不当として、脚本を担当した作家荒井晴彦さんと、社団法人「シナリオ作家協会」が14日、原作者の芥川賞作家絲山秋子さんに出版の妨害をしないよう求める訴訟を東京地裁に起こした。訴状によると、荒井さんは03年に映画制作会社を通じ、原作の著作権を管理する出版社との間で、脚本の二次利用について「商慣習に反する拒否はしない」とする契約を結んでいた。ところがシナリオを活字化する計画に対して絲山さん側が「脚本を活字として残したくない」と拒否したという。荒井さん側は「脚本の出版を拒否するのは契約違反」としている。(「東京」7月15日付ほか)

◇人民日報記者、暴徒に襲われる
9日付の中国紙、京華時報によると、緊張状態が続く新疆ウイグル自治区ウルムチ市内で8日未明、取材を終えて宿泊先に戻ろうとした中国共産党機関紙、人民日報の記者らが100人以上の暴徒に襲われ、記者1人が割れたガラスで手にケガをした。車も激しく壊されたが、最後は駆けつけた警察に守られ、約4時間後に宿泊先に戻った。記者らは2台の車に分乗、市内の交差点付近で、手におのや刀、鉄棒などを暴徒に取り囲まれた。「われわれは記者だ」と言ったが、暴徒側は「殺せ」などと叫びながら車を壊し始めたという。京華時報は、暴徒がウイグル族か漢民族かは伝えていない。(「新聞協会報」7月14日号)

posted by JCJ at 06:00 | TrackBack(0) | マスコミ気象台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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