2009年08月03日

マスコミ気象台

◇名誉棄損訴訟、御手洗会長が逆転敗訴


キヤノンと御手洗冨士夫会長(日本経団連会長)が、
旧日本軍の731部隊と関係があるかのように書いた週刊現代の記事や広告で名誉を傷つけられたとして、
発行元の講談社と筆者に2億円の賠償を求めた訴訟で、東京高裁(藤村啓裁判長)は15日、200万円の支払いを命じた一審判決を取り消し、
請求を棄却する逆転判決を言い渡した。同誌は07年10月20日号は、「キヤノン 御手洗会長と七三一部隊」の見出しで、京都帝大
(現京都大)に毒ガスの論文を提出した御手洗会長の叔父が731部隊を支援していたと記していた。1審は表紙や広告の見出しについて
「社会的評価を低下させた」と判断したが、高裁は「抽象的な表現にとどまっており、会長の社会的評価は揺るがない」と指摘した。(「毎日」
7月16日付ほか)

◇集英社が単行本回収


集英社は6月26日に発行した単行本「サブプライム後の会社番付 アブナイ会社、倒産しない会社はここだ!」(黒井尚志著)
に事実と異なる記述が多数あったとして、書店や購入者から回収を始めた。国内の企業約1800社を独自に格付けしたビジネス書で、
著者が間違いを申し出たという。誤りの具体的な内容は明らかにしていない。集英社は「校正、校閲も不十分だった」としている。(「朝日」
7月15日付夕刊ほか)


◇医療事故の書籍で毎日記者らに賠償命令


東京女子医大病院で心臓手術を受けた女児の死亡事故で業務上過失致死罪に問われ無罪が確定した医師(45)が、
毎日新聞医療問題取材班の書籍で名誉を傷つけられたとして、発行元の集英社と取材班の記者に200万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、
東京高裁は15日、80万円の支払いを命じた1審判決を支持し、双方の控訴を棄却した。集英社と記者は上告を検討している。(「毎日」
7月16日付ほか)


◇田原氏拉致発言めぐり有本さん父母が提訴へ


北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん(行方不明当時23歳)の安否をめぐり、ジャーナリストの田原総一朗氏(75)がテレビ番組で
「外務省も生きていないことは分かっている」と発言したことについて、有本さんの父と母が16日、精神的苦痛を受けたとして、
田原氏を相手取り1000万円の慰謝料を求める訴えを神戸地裁に起こす。田原氏は「言葉遣いで乱暴な部分はあったが、
信頼できる外務省幹部から取材しており、発言の趣旨は間違っていない。裁判で争いたい」とコメントした。(「毎日」7月16日付夕刊ほか)


◇読売新聞、来秋から新潟日報への一部委託印刷


読売新聞東京本社と新潟日報社は15日、
新潟県内に配達する読売新聞の一部7万部の印刷を2010年秋から新潟日報へ委託することで基本合意した、と発表した。今後、
共同配送についても協議する。両社は生産設備を有効活用し経営基盤強化を図る。これまで群馬工場(群馬県藤岡市)
で印刷していた読売新聞について、新潟日報の印刷センターを活用して印刷する。読売新聞東京本社の地方紙への印刷委託は、茨城新聞社
(水戸市)、十勝毎日新聞社(北海道帯広市)に続き3社目。(「神奈川」7月16日付ほか)


◇民放連、情報通信法で意見書


民放連は、放送と通信の規制の一本化を目指す「情報通信法(仮称)」のあり方について、
情報通信審議会の検討委員会が先月示した答申案に対する意見書を、16日、総務省に提出した。意見書では、@現行の放送法で保障されている
「表現の自由」と「編集の自由」の規定を継承するAケーブルテレビ事業者が地上波の番組を対象地域外に放送する「区域外再送信」
に放送する制度を見直すBテレビショッピング番組の扱いを民放事業者の自主自律にゆだねる――などの点を、
新法に反映させるよう要望している。(「読売」7月17日付ほか)


 ◇民放半数超赤字に〜3月期、地デジ投資負担重く


民放連の広瀬道貞会長は16日の記者会見で、加盟する全国201社(ラジオ局など含む)のうち、53.7%にあたる108社が、
2009年3月期決算の税引き後利益は赤字だったことを明らかにした。加盟社の売上総額は前期比4.9%減だったが、経常利益は同45.2%
減だった。広瀬会長は「(地上デジタル放送完全移行に向けた)デジタル投資が赤字転落の一番大きな理由」との見解を示した。
落ち込みが激しいとされる広告市況について、景気動向に左右されやすいスポット広告が4月の前年同月比14%減から5月は同11%
減と減少幅が縮小に転じ、広瀬会長は「底なしだった状況が変わってきたという気がしている」と回復への期待感を示した。(「読売」
7月17日付ほか)


◇英大衆紙に盗聴疑惑〜マードック氏傘下、米紙が懸念


英大衆日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドや大衆紙サンの記者31人が私立探偵を雇って、
有名人の携帯電話を組織的に盗聴していた疑いが14日、英下院で指摘された。両紙は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)
を買収したメディア王、ルパート・マードック氏の傘下にあるだけに、米紙は「あきれた行為」と批判するなど、大きな波紋を広げている。(
「産経」7月17日付ほか)

posted by JCJ at 10:34 | マスコミ気象台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする