◇NHK報道は「裁判員に影響」と日弁連副会長〜強盗被害者、現場で説明
山岸憲司日弁連副会長は25日、長野市で開かれた関東弁護士会連合会の定期大会後の記者会見で、
千葉地裁の強盗傷害事件の裁判員裁判に関するNHK報道について「被害者に事件の現場でその模様を説明させたことは、
いくらなんでも行き過ぎだ」と批判した。山岸副会長は、NHKが初公判当日の14日、夕方のニュースで被害者へのインタビューを報じた際、
現場で事件や傷の説明をさせたとして、「ニュースを見た裁判員と見ない裁判員では印象も違ってくる」と指摘。報道機関に「(裁判員に)
裁判に現れた証拠で判断してもらえるよう配慮をお願いしたい」と述べた。(「日経」9月26日付ほか)
◇NHK慰安婦番組問題「検証番組作るべきだ」
旧日本軍の従軍慰安婦を取り上げたNHK特集番組(01年1月放送)の改変問題で、同番組デスクだった長井暁さん=09年2月退職=と、
プロデューサーだった永田浩三さん=同3月退職=が26日、都内で開かれたシンポジウムで「NHKは検証番組を制作し、放送すべきだ」
と訴えた。永田さんは在職中に幹部に検証を求めたところ「政治家の介入があったという結論にしかならない、と言われた」
とのエピソードを明かした。シンポには同番組に関係した職員らも参加し「改変過程を検証する番組の制作に必要な台本や(放送前の)素材は、
既に多くの人たちが持っているので可能だ」と発言しNHKによる検証を求めた。(「毎日」9月27日付ほか)
◇「光市母子殺害」被告ルポ、元少年を実名刊行へ
山口県光市母子殺害事件の被告の元少年=死刑判決を受け上告中=を実名表記し、
本人と周辺を追ったルポルタージュの単行本が10月に刊行されることが26日分かった。事件時に被告は18歳で、
実名掲載は少年法違反の恐れがあるが、著者で大学職員である増田美智子さん(28)は「被告と25回の接見を重ね、
人間として描きたいと考えた。匿名では人格の理解が妨げられ、モンスターのようなイメージが膨らむ」と説明、本人の了解も得たとしている。
重大な少年事件報道のあり方について議論を呼びそうだ。(「東京」9月27日付ほか)
◇KBS京都カメラマン、派遣切り寸前に正社員
京都の地方放送局・KBS京都に派遣されていた報道カメラマン2人が、9月末で「派遣切り」される寸前に、KBSへの正社員を勝ち取った。
2人は、民放労連・京都放送労働組合(KBS労組)に加わる深田実希さん(31)と、川田宏士さん(29)。(「しんぶん赤旗」
9月28日付)
◇外務省会見、全メディアに開放
岡田克也外相は29日の記者会見で、外務省での記者会見を原則としてすべてのメディアに開放すると決めたと表明し、
同日行われた会見から開放した。この日の会見には記者クラブに所属しない約30人も出席した。
開放の対象には日本外国特派員協会会員及び外国記者登録証保持者ならびにフリーランスなどが含まれている。
参加には事前登録が必要としている。(「毎日」9月30日付ほか)
◇批判的メディア閉鎖〜ホンジュラス暫定政権が強行
ロイター通信によると、中米ホンジュラスの暫定政権は28日、クーデターで発足した同政権に批判的な放送局「ラジオ・グロボ」と「コルサト・
スル・テレビ」に軍部隊を送り、放送を停止させ、閉鎖した。暫定政権は26日付で、「社会の平穏を脅かす恐れのある場合」、表現や報道、
集会の自由を停止できるとする法令を公布していた。両メディアは6月28日のクーデター以後、幾度も放送停止処分を受けていた。
軍部隊の急襲に際しグアテマラのジャーナリストが「野蛮な肉体的暴行」を受けたとして、同国は抗議している。(「しんぶん赤旗」
9月30日付)
◇「嵐」と「KAT−TUN」出版社を提訴
アイドルグループの「嵐」と「KAT−TUN」のメンバー計11人が、書籍に写真を無断掲載されたとして、出版した「アールズ出版」
に総額1億7157万円の賠償と書籍の出版差し止めを求め東京地裁に提訴していたことが分かった。訴えによると、同社は05年〜08年、
タイトルにグループやメンバー名を冠した「お宝フォトファイル」「お宝フォトBOOK」など12種類の書籍を出版した。原告側は、
著名人の氏名や肖像から生じる経済的利益を本人が独占できる「パブリシティー権」や人格権を侵害していると主張。これに対し同社は
「パブリシティー権の法的枠組みは明確になっておらず、出版物の内容が権利侵害に当たるとは考えていない。人格権についても、
タレントや著名人は制約されるべきだ」と話している。(「毎日」9月30日付夕刊ほか)
◇三浦和義さんの妻勝訴、新潮社に77万円賠償命令
81年の米ロサンゼルス銃撃事件で逮捕され、昨年10月にロス市警の留置場で自殺した三浦和義さんの妻が、「週刊新潮」
に記事や写真を掲載され精神的苦痛を被ったとして発行元の新潮社に550万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は29日、
77万円の支払いを命じた。三村晶子裁判長は「プライバシー権や肖像権の侵害に当たる」と判断した。同誌08年3月6日号は「特集
『ロス疑惑』長すぎた27年の歳月」の見出しで、妻がジーンズ販売で1億円以上を売り上げ、
自宅を新築したなどとする記事や約25年前の写真を掲載した。(「毎日」9月30日付夕刊ほか)