2009年11月30日

マスコミ気象台

◇検索書籍、英米圏のみ〜グーグル訴訟、修正和解案
米グーグル社によるデジタル化した書籍の全文検索サービス「グーグルブックス」をめぐる集団訴訟で、米国作家協会は13日夜、修正和解案をニューヨークの連邦地裁に提出した。サービスの対象を米連邦著作権登録局への登録作品か、英国、カナダ、オーストラリアで出版された作品に限定することなどが柱で、この案で和解が成立すれば、日本への影響はほぼなくなるとみられる。(「朝日」11月15日付ほか)
◇日本の団体、修正和解案で歓迎
グーグルの修正和解案について、日本の著作物が和解案の拘束を受けることに反発してきた日本の権利者団体は歓迎している。今年、旧和解案に対して米連邦地裁に異議申し立てをした日本ペンクラブの山田健太委員は「我々の要求が一定程度認められた」と評価。グーグルが既に電子化した日本の書籍のデータについては「日本側に無償提供されるべきものと考えている」と話す。日本文芸家協会の三田誠広副理事長も修正案を歓迎する。現在、日本では国立国会図書館の蔵書をデジタル化し、インターネットで配信する構想が検討中で、三田さんは「日本では権利を守り、利用者の便宜もはかる道を探っていきたい」と話した。(「朝日」11月15日付ほか)

◇「数か月以内にも中止」〜米ニュース記事のグーグル検索
米メディア大手ニューズ・コーポレーションは数カ月以内にも米グーグルの検索サービスから系列メディア企業のニュースを引き揚げる方針を明らかにした。英紙テレグラフ(電子版)が13日伝えた。ニュースでデジタル部門トップをつとめるジョナサン・ミラー氏が、モナコの業界イベントで「(検索・閲覧できなくするのは)数カ月先、あるいは数四半期先のこと」と話した。(「日経」11月15日付ほか)

◇著書で魚民中傷、300万円賠償命令〜ワタミ会長に地裁
居酒屋「和民」を経営するワタミの渡辺美樹会長の著書で、「もの真似ビジネスが横行」などと中傷されたとして、同業の「魚民」を展開するモンテローザが、渡辺会長とワタミに1億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、渡辺会長に300万円の支払いを命じた。山田俊雄裁判長は「魚民が和民を不当にまねたとは言えない」と述べた。(「毎日」11月17日付ほか)

◇書籍デジタル化和解案、日本除外を歓迎〜出版流通対策協議会
米グーグル社と全米作家協会などが公表した同社の書籍デジタル化事業を巡る修正和解案について、中小出版社99社で作る出版流通対策協議会は16日、「(日本の書籍が)和解対象から除外されたことは反対運動の成果」と評価したうえで、「スキャニングした日本の書籍についてはデータベースから速やかに削除すること」とする見解を発表した。(「毎日」11月17日付ほか)

か◇NHK「朝ドラ8時」検討〜生活習慣変化で視聴率低迷
NHKが来年4月から、朝のニュースを13分短縮し、連続テレビ小説(朝ドラ)の開始時間を午前8時とする改編を検討していることが分かった。放送時間変更は48年ぶりとなる。朝ドラの開始時間は第1作(61年4月〜62年3月)のみ午前8時40分で、62年4月スタートの2作目から同15分となった。だが最近、平均視聴率が低迷。09年前期の「つばさ」は13.8%(関東地区)。共働き家庭の増加などで生活習慣が変化したことが一因とされ、開始時間繰り上げで再起を狙う。NHKは、09年度から3か年の経営計画で「接触者率(インターネットなどで1週間に5分以上NHKを見たり、聞いたりした人の割合)80%」を目標に設定。改編案が浮上した。一方、同計画は報道強化も提示していることから、ニュース短縮には異論が出ており、正式決定まで曲折が予想される。(「毎日」11月18日付ほか)

◇NHK杯の映像乱れはメモリー不足が原因
NHKは17日、総合テレビジョンの地上デジタル放送で、6日夜の「2009NHK杯フィギュア」の放送中に一部機種のテレビで映像が乱れたなどの原因について、「データ放送のデータ量に対し、一部機種のメモリー容量が不足していたため」との調査結果を発表した。一方、ソニーによると、同社が04〜05年に販売した「ベガHVXシリーズ」約13万台と「クオリア」千数百台で、デジタル放送のデータを正しく受信できない不具合が見つかったという。他のメーカーの機種のトラブルについてはNHK側の操作ミスという。(「毎日」11月18日付ほか)

◇バラエティーに指針を〜民放連にBPO提案
放送倫理・番組向上機構(BPO)は17日、「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を民放連に渡し、発表した。視聴者の意見をもとに、嫌われる番組を「下ネタ」「イジメや差別」「内輪話や仲間内のバカ騒ぎ」「制作の手の内がバレバレのもの」「生きることの基本を粗末に扱うこと」の五つに分類し、民放の26例を局や番組名を伏せて挙げた。また、民放連の放送基準にバラエティーについて「こうありたい」という理想形を示す記述がないことから、「実効的な指針」の必要性を指摘した。(「毎日」11月18日付ほか)
posted by JCJ at 06:00 | TrackBack(0) | マスコミ気象台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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