2009年12月13日

【今週の風考計】

白川道『最も遠い銀河』 (幻冬舎)を読み、川村湊『狼疾正伝─中島敦の文学と生涯』(河出書房新社)を読了した週末、「小林多喜二の恋人・田口タキさん死去」 の訃報記事に接し、何か不思議な感慨に捉われた。去年秋、 JCJ取材ツアーで訪れた、小林多喜二文学碑の建つ旭展望台から望む、小樽の港や市街が鮮やかに浮かび上がる。29歳で特高警察に虐殺された多喜二が、タキさんに宛てた手紙には「闇があるから光がある。 そして闇から出てきた人こそ、一番ほんとうに光の有難さが分かる」とある。<一瞬の光は永遠の輝きをもって遠い銀河に眠る>は、 小樽を舞台にした白川道の小説の通奏低音。川村湊の「33歳で夭折した<狼疾の人>を描く評伝」の終章には、中島敦の異父弟・ 桜庭幸雄の小樽時代が描かれている。

*【今週の風考計】は、JCJWEB掲載の週刊コラムです。

 

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