2010年02月28日

【今週の風考計】

作家の乃南アサさんが、「陶工たちの息吹」と題し、 エッセイを書いている(朝日新聞2/24付)。その最後に「ひたすら土をこね、消えていった名もなき人々。私はそうした人の方に、 ついつい惹かれる」とある。彼女の最新作『ニサッタ、ニサッタ』(講談社) を読み終えた時の感動が甦る。主人公は女刑事・音道貴子に非ず、ネットカフェ難民の青年だ。今日を生きるので精一杯。表題の「ニサッタ」 はアイヌ語で「明日」の意味。明日から。明日から、がんばろう。最底辺の人生から脱しようと、苦しみもがく姿に思わず涙が出た。 本書の最後には、夏川りみが歌う「花になる」のフレーズが響く。 彼女もまた新しいCD「歌さがし〜アジアの風」(VICL63541〜2)をリリース。収録の一曲「さくら(独唱)」がいい。

*【今週の風考計】は、JCJWEB掲載の週刊コラムです。

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