2010年09月19日

【今週の風考計】 

▼インドのタタ財閥に触れた記事がいい(朝日9/19付)。「社会の資源を利用して得た利益は社会に返す。それがタタ財閥の哲学です」 とある。毎年41億ルピー(約78億円)が全国の公共サービスに充てられる。▼日本はどうか。8年前、銀行救済を名目に70兆円の公的資金 (税金)が投入された。いまや銀行は大幅な増益。役員報酬や退職金の増額に夢中、税金返済など眼中にない。2007年までの10年間に、 大企業の内部留保は142兆円から229兆円に。銀行救済に動いた高級官僚は天下りを重ね、退職金とあわせ4億円の収入を手にする。 これも全て税金。▼井上ひさし『ボローニャ紀行』(文春文庫)に、北イタリアの都市ボローニャでは、地元の銀行が、 常に地域社会や困窮した人々の支援に目を向け、利益の一部を地元に戻す慈善活動の中心になっている姿がレポートされている。 (2010/9/19)

*【今週の風考計】は、JCJWEB掲載の週刊コラムです。

posted by JCJ at 17:41 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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