2010年10月28日

那覇地裁 靖国神社の<勝手に英霊・合祀>を容認する判決

 沖縄戦の遺族ら5人が、靖国神社の<勝手に英霊・合祀>について、神社、国に対して取り消しを求めた裁判で、26日、那覇地裁 (平田直人裁判長)は、原告の請求をいずれも棄却した。裁判長は、「合祀は一般客観的に、 「合祀によって戦没者の社会的評価が低下することは想定できず、原告らの信教の自由の妨害を生じさせる具体的行為はなかった」 (沖縄タイムス)として、遺族らのが戦没者に対する「追悼の自由」が侵害されたとの主張を退けた。

(JCJふらっしゅ「Y記者のニュースの検証」=小鷲順造)

 同紙は、判決が、戦傷病者戦没者遺族等援護法(援護法)適用の過程で一般住民が合祀されたことに関しても、 「神社の信教の自由にかかわる問題」として、踏み込まなかったこと、また、国の責任については 「情報提供で一定の役割を果たしたことは否めず、『準軍属』 として合祀された者は国による援護法適用を前提とした情報提供によって合祀されたとうかがわれる」と関与は認めたものの 「合祀の最終決定は神社が行い、神社の合祀に対して国が事実上の強制とみられる影響を及ぼしたとも言い難い」として、 共同性はないと退けたことを指摘した。

 この地裁の判決は、まるで死者の<名義貸し>など取り合う必要もないというかのような、まったくもって想像力欠如、事なかれ主義か、 裁判所の保身か、あるいは古くさすぎる権威主義に取り込まれたままの司法の姿を告発してやまない。

 遺族は控訴する方針で、原告弁護団長の池宮城紀夫弁護士は、「極めて不当で残念。沖縄戦の歴史捏造(ねつぞう) から目を背けた判決だ。判決を定着させるわけにはいかない」(同)と話している。

 思想・信条の自由も、言論表現の自由もなかった戦時の異常な時期ならいざしらず、明らかに本人が望んだとは思えない「英霊化」や 「合祀」を、この民主主義の社会において「強要」することは、断じて許されないだろう。神社の側も、本人が望まないであろう霊を「英霊」 として「合祀」しておくことは、本来、神社の沽券にかかわることではないのか。それを、 一度祀ってしまったものを取り下げることはできないという論理のほうが、時代に即さないことは明白である。 神社側に情報提供をしていた国の責任を振り返り、その重さをこの時代が告発し共有することの責務を努々忘れるわけにはいかない。

(こわし・じゅんぞう/日本ジャーナリスト会議会員)

合祀取り消し請求棄却 靖国訴訟 那覇地裁判決 権利侵害認めず(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-10-27_11490/
歴史ゆがめられた?沖縄靖国訴訟判決へ(TBS NEWS)
http://news.tbs.co.jp/20101025/newseye/tbs_newseye4559467.html

posted by JCJ at 17:37 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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