2011年02月15日

異様な「TPP開国論」歴史の連続性を見抜け―内橋克人氏講演会(農業研究3団体)より

 (社)農協協会、新世紀JA研究会、農業協同組合研究会の3団体は経済評論家の内橋克人氏を講師に1月28日、東京・ 大手町の東京會舘で「人間をこそ主人公とする協同組合が創る社会を」テーマに新春特別講演会を開き、 予定を超える200人余の参加者が集まり盛況だった。内橋氏は2012年国際協同組合にむけた同全国実行委員会代表だが、 この日の講演内容はその立場を離れた個人としての意見を述べるものだと断って、TPP(環太平洋連携協定)問題については歴史的、 全世界的な規模で捉えることが必要だと強調した。以下に講演の部分抜粋を紹介する。

● むき出しの市場原理主義に対抗思潮を ●

講演:内橋克人氏

 TPPについて東京発マスコミの「開国」一辺倒論ぶりは異様なものです。 例えば去年秋の日比谷での大規模な反対集会について1行も報道していません。

 これに対して、地域社会に密着するジャーナリズムは違っておりまして、私が書いた『TPP開国論を問う』『市場原理主義 再び』 といった反対論を大きく掲載しています。お手許に配ってあります資料をご覧ください(中国新聞、北海道新聞)。 すでに崖っぷちに立たされている日本農業の背中をさらに押す、というような圧力が出てきた時、中央紙とはまるで違う対応をする。 それがコミュニティ・ペーパーの特徴でもあるでしょう。ともあれ、いまやTPPをめぐって「国論二分」の状況になってきました。

 協同組合の中にもいまだTPPに関して態度を決めかねている方がいます。「まだ情報を収集中」などという、 ある協同組合トップの方に私は率直に「情報が集まった時にはもう手遅れですよ」と申し上げた。

 菅直人首相は歴史上、幕末・明治を第一の開国、あたかも輝かしい開国であったかのごとく信じているようですが、 蒙昧とはこのことをいうのでしょう。第一の開国こそは欧米列強への隷従的・片務的な「不平等条約」でした。相手国は一方的に関税を決め、 日本は独立国家の当然の権利である関税自主権さえ奪われた。それから領事裁判権という名のもと、 犯罪を犯した外国人を日本の法律で裁けない治外法権も強制されました。対等な関係における日本の「開国」がやっと実現したのは、 第一の開国から60数年も経った第1次大戦後のことです。近代日本がいかに苦悶を迫られたか、それを菅氏はご存じない。

 「開国」という「政治ことば」に秘められた大きな企みが人々を間違った方向へ導いていく。「規制緩和」「構造改革」がそうでした。 これに反対するものは「守旧派」と呼び、少数派として排除しましたが、今回も同じ構図です。「改革」とか「開国」とか、一見、 ポジティブな響きの、前向きの言葉の裏に潜む「政治ことば」の罠、その暗闇に目を注ぎながら言葉の真意を見抜いていかなければなりません。 「国を開く」などといいますが、その行き着くところ、実質はまさに「国を明け渡す」に等しい。「城を明け渡す」とは落城のことです。 光り輝く近代化というイメージ、その実態は?と問わなければなりません。「第一の開国」についての詳細はお手許の資料に詳述してあります。

*つづきを下記URLにてお読みください。
http://www.jacom.or.jp/tokusyu/2011/tokusyu110208-12482.php

*〔出所〕農業協同組合新聞2011.02.08付記事/許可を得て一部転載。

posted by JCJ at 19:19 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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