2011年02月01日

大統領選目指すペイリン氏に打撃=伊藤力司

 銃規制より銃所持の自由が優勢な米国でまた乱射事件が起きた。アリゾナ州トゥーソンで民主党のガブリエル・ ギフォーズ下院議員らが撃たれ、6人が死亡、十数人が負傷した。
 リンカーン暗殺以来、ケネディ大統領、弟のボブ・ケネディ大統領候補、黒人解放運動指導者キング牧師と、 暗殺事件が枚挙に暇のない米政治史だが、ギフォーズ議員を狙った今回の犯行は、右翼ティーパーティー運動の姐御 ペイリン共和党前副大統領候補に大きなダメージを与え、話題になっている。

というのも、オバマ大統領の医療保険改革を熱心に支持したギフォーズ氏を、 ペイリン氏は昨秋の中間選挙で落選させるべき候補と名指しして攻撃したからだ。乱射事件直後の世論の反応は、 昨年1年間ティーパーティーが展開した過激なオバマ攻撃がアメリカの政治風土を乱し、 暴力も容認する気分を生んだことが事件の遠因ではないかというものだった。ペイリン氏らの反オバマ・キャンペーンはそれほど印象的だった。
 さてティーパーティーが貢献した結果、中間選挙で大勝した共和党は、 1月早々の新議会で医療保険改革法を無効にする法案を審議に掛ける予定だった。その直前に起きた乱射事件は、 ベイナー下院議長ら共和党指導部にもショックを与え、下院のすべての審議を1週間停止する決定を下した。 医療保険改革に熱心だったギフォーズ議員を狙った犯人は、ペイリン氏らの主張に影響されたとする見方が一般的だったからである。
 現場で取り押さえられた22歳の容疑者が、どんな理由でギフォーズ議員を殺害しようとしたかの動機はまだ解明されていない。 ペイリン氏はこの容疑者と一切関係がないことを強調し、自分のギフォーズ議員攻撃はあくまでも言論の自由の範囲内だと主張している。 しかし民主党側やリベラルの論調はペイリン氏に厳しく、共和党でも同氏の12年大統領候補の目はなくなったとする声が広がっている。

posted by JCJ at 18:35 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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