2011年02月01日

尾張名古屋はどこへ行く/民主主義守る運動も活発化 「十四人の会」マスコミにも苦言=加藤剛

 名古屋ではその後、河村市長と市議会の対立が一段と激しさを増し、 市長の主導で市議会解散リコールの住民投票を請求する準備が進められ、請求に必要な数の署名を集める運動が展開された。
 市長の提案が議会で通らないことはよくある現象だ。同じ名古屋市でもかつての本山革新市政の初期(自民クラブなど野党が多数) がそうだった。しかし粘り強い話し合いの中で諸施策が実現して行った。

河村市長の場合は「粘り強い話し合い」がなく、「提案⇒否決⇒再審議⇒否決」を繰り返し、その次が「議会解散リコール請求」だった。
 市議会解散リコールの住民投票を請求するには名古屋市の場合36万余の署名が必要だ。
 名古屋市ではこれまで選管の指導は厳しく、書式や集約方法も様々な限定があった。署名用紙が通常目にする署名とは違い冊子になっていた。 冒頭に趣旨、代表者、受任者の印影、そして署名欄が続く。市内でも区が違えば無効、日にち順が乱れれば無効など色々と注意事項があった。
 それに比べると河村派の署名は信じられないほど制約がゆるかった。冊子でなくぺラ1枚の用紙が大活躍していた。
 案の定「大量署名」46万余の中から多数の無効票、疑問票が見つかった。その上、受任者の記名のない署名も万と見つかり、確認調査の結果、 選管が一旦は「法定数に達せず」と発表した。
 これに対し河村派が異議申し立てを行い、再調査の結果僅差で法定数を上回ったため、住民投票の開始が決まった。
 河村市長は選管が「署名は法定数に達せず」と発表したあと、「責任を取る」という理由で辞意を表明(11月26日)。 それと相前後して盟友の自民党衆議院議員を2月に行われる愛知県知事選の候補に推薦した。自分も立候補すれば知事、市長のダブル選挙となる。
 そこへ市議会リコールの住民投票が入ってトリプル投票となった――これが名古屋トリプル投票までのいきさつである。 河村市長が推す県知事候補の「盟友」は同じように「減税」を掲げており、「中京都」構想でも共鳴し合っている。
 トリプル投票ではかつての小泉劇場の名古屋版とも言うべき「河村劇場」が出現するかもしれない。河村陣営はそれを期待しているのだろう。 小泉劇場のスローガンは「郵政民営化」だった。河村劇場は「減税」だ。
 河村市長の動きを「民主主義とは無縁の強権政治、ファッショにつながる恐れあり」と警戒する市民団体が動き出した。 名古屋大学名誉教授水田洋氏、もと愛労評議長成瀬昇氏らの「名古屋市の民主主義を守る十四人の会」である。
 「十四人の会」は住民投票などの公示を前にして1月13日、有権者に「民主主義を守るため住民投票では議会解散に反対と明記しよう」 と呼びかけた。その理由として次の諸点を挙げている。
・税金問題でのリコールは法律上できないのに「減税の署名」であるかのように宣伝して署名を集めた
・その「減税」自体が欺瞞。10%の金持ち減税は市長の公約に反する(「金持ち減税はゼロ」というのが公約)
・勝手に人の名前を使うなど違法署名、偽造署名も多い
・リコール解散しなくても4月には任期満了の解散、選挙がある。税の無駄使いだ―など。
「十四人の会」はアピールの中でリコール問題のマスコミ報道にも触れ、 「目を引く記事や映像を求める余り社会の木鐸としての使命を忘れているのではないか」と苦言を呈している。

posted by JCJ at 18:39 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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