JCJ新聞部会は昨年12月20日に東京で、「見てきた北朝鮮の断面」と題して定例のゼミナールを開いた。
ゲストは関東学院大学教授で元共同通信の丸山重威さん。昨秋、23年ぶりに学術研究の一環として訪れた北朝鮮の様子を、
多くの写真をスクリーンに映しながら紹介した。
延坪島砲撃事件が起きて南北間の緊張が高まった時期だけに、北朝鮮の実像はどのようなものかと参加者の関心も高く、
約20人が熱心に耳を傾けた。
丸山さんは平壌の高層ホテルの20階に宿泊。特徴的だったのは、目的の取材先がすべてホテルに出向いて来ることだった。
「外務省や法律研究所の人たちがホテルに来て私たちが話を聞くパターンばかり。こちらから相手先に行くことはできなかった」。
普通の取材とは違ったと、印象を語った。
開城工業団地や板門店にも出かけた。意外だったのは、中国人のほか、欧州の外国人旅行客があちこちにいて目立ったこと。
日本はほとんど北朝鮮との接点がないが、交流自体を閉じている現状は日本にとって本当に得なのか、再検討が必要と指摘した。