自宅書庫の手の届く範囲だけで、ブルーの本が10数冊見つかった。ドイツのDuncker &
Humblot/Berlinという出版社の国際法叢書(Schriften zum Internationalen Recht)
である。私は35年前に大学院に入ったときから、この出版社のシリーズには大変お世話になっている(高額なのが玉に瑕だが)。私の修士論文
(1978年)も、この出版社の「公法叢書」のなかの「政党と法」に関するものを参照した。この分野の専門家にとって、馴染みの深い「色」
である。
ドイツでは、法学分野の博士学位論文(Dissertation)の多くがこの出版社から出されている。500頁を超えるものから、
100頁足らずのものまで色々である。博士論文といっても、日本の修士論文程度のものもあり、博士号は日本よりも容易に取得できる。だから、
官僚や政治家はもとより、企業経営者やホテル支配人、商店主まで、名刺をもらうとドクター(Dr. )のタイトルが付いていて、
驚かされることがある。ちなみに、ドイツの場合、大学教授になるには教授資格論文(Habilitation)が必須であり、
これの方が博士学位論文よりはるかにレヴェルが高い。教授の数は限られているが、他方、博士号をもち、「ドクター○○」
と言われる人々はかなりの数にのぼる。
2011年03月07日
コピペ時代の博士号――独国防相の辞任=水島 朝穂
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