2011年05月29日

「子ども年20ミリシーベルト暫定基準」問題で、市民団体6団体が声明

 27日、文科省は当面の対応として、「今年度、年間1ミリシーベルト以下を目指す」ことを表明した。これはこれまでの、「子ども年20ミリシーベルト暫定基準」の事実上断念を意味するとして、市民団体6団体が、「福島の父母たち、市民運動が勝ち取った大きな一歩」とする声明を発表した。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、グリーン・アクション、福島老朽原発を考える会(フクロウの会)、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)、国際環境NGO FoE Japan、環境NGOグリーンピース・ジャパンの6団体。
 声明は、「この間の市民運動が勝ち取った大きな一歩」とする一方で、「同時に、文科省の発表は多くの問題と課題を残す」として、今後すみやかに進められるべき具体的な課題を挙げている。

 <1>「今年度1ミリシーベルト以下を目指す」について

・事故後からの積算線量で年間1ミリシーベルト以下を目指すべき。また、学校外における積算線量も含めるべき。
・さらに、既に1ミリシーベルトを超えている学校については、表土除去だけではなく、学童疎開など、あらゆる被ばく低減策を実施すべき。
・この1ミリシーベルトには、学校給食などによる内部被ばくは含まれていません。これも考慮にいれるべき。
・内部被ばくに関しては、モニタリングの対象とすべき。
 文科省が示している「今年度」とは、4月1日からとなり、事故後の3月分は含まれない可能性があります。また、「当面の対応」では、積算線量計を各学校に配布し「積算線量のモニタリングを実施する」となっています。マスコミ報道によれば、この測定は基本的に6月からとされています。4月以降または6月以降の評価で「1ミリシーベルト」とするのは不十分です。

 <2>財政支援を、土壌の汚染低減措置に限っていることについて

・授業停止、学童疎開、避難などあらゆる被ばく低減策について、これらを実行に移す具体的な措置を示し、財政支援を行うべき。
 「当面の対応」では、国による財政支援を土壌の汚染低減措置に限っています。

 <3>土壌の汚染低減化を毎時1マイクロシーベルト以上に制限していることについて

・土壌の汚染低減化は毎時1マイクロシーベルト未満であっても必要です。年間1ミリシーベルトの被ばく以下になるよう土壌の汚染を除去すべき。
・除去した土壌については、東電と国の責任で管理すべき。
 「当面の対応」では、財政支援の対象として、校庭・園庭の空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以上と制限を設けています。しかし、毎時1マイクロシーベルトは、事故以前の福島県の平均空間線量の約25倍にもあたり、年間では8.8ミリシーベルトにもなります。年1ミリシーベルトを守るためには、セシウム 137で考えれば、土壌1平方メートル当たり40キロベクレル、空間線量では毎時0.15マイクロシーベルト以下にする必要があります。
 声明は、最後に、以下を記して結んでいる。
<なお、今回の問題の根底には、文科省がもつ根強い「安全」神話がありました。文科省および福島県の放射線リスクアドバイザーは、あたかも100ミリシーベルト以下であれば安全であるかのような宣伝を行ってきました。この偏った文科省および一部の無責任な学者の宣伝を修正していかない限り、問題は繰り返し生じるでしょう。
 私たちは、勝ち取った今回の大きな前進を、一緒になって行動を起こしてくださった全世界の市民の方々とともに確認するとともに、引き続き、日本政府に対して、以上の問題の対応および20ミリシーベルト基準撤回を求めていく所存です。>

■市民団体6団体の声明(5月27日、PDFファイル)

<関連情報>
◆NPO京都コミュニティ放送
 5/27「ラジオカフェ」
(前半)「福島第一原発1、2、3号機のメルトダウンの状況と今後について」
     <インタビュー>京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章氏
    1-2【福島原発】 小出裕章氏・細川弘明氏にきく(1)
(後半)「風評被害=まったく汚染されていないときに使う言葉」
     <インタビュー>京都精華大学 教授 細川弘明氏
    2-2【福島原発】 小出裕章氏・細川弘明氏にきく(2)


posted by JCJ at 23:32 | TrackBack(0) | パブリック・コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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