2012年03月14日

加重処分を妥当とした最高裁 国家に都合の悪い教員排除への道=根津公子

 河原井さん停職1ヶ月、根津停職3ヶ月の「君が代」不起立処分取消し訴訟最高裁判決(1月16日)は、河原井さんの処分を取り消し、 私の処分を妥当とした。この日、同じく戒告と減給処分取り消しを争う同種の2件の判決があり、戒告処分を妥当とし、 減給1ヶ月処分は取り消した。憲法判断は昨夏の最判を踏襲。今回は「裁量権濫用」を問うものであった。

 判決は、@「戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについては、慎重な考慮が必要」としたが、A「過去の… 処分歴や不起立行為の前後における態度等に鑑み、…秩序を害したと認められる具体的な事情」があり、それが「処分による不利益」 よりも大きいものであれば「停職の処分を選択することが許容される」とした。この2つの基準に照らして、河原井さんの 「過去の懲戒処分の対象は、いずれも不起立行為で」「積極的に式典の進行を妨害する内容の非違行為ではない」から、処分は違法。しかし、 根津には「卒業式における国旗の掲揚の妨害と引き降ろし及び服務事故再発防止研修における…ゼッケン着用… といった積極的に式典や研修の進行を妨害する行為…、更に校長を批判する内容の文書の生徒への配布等」の処分歴があり、「秩序を害した」 から処分は妥当とした。
 これについてマスコミは「一定の歯止め」「一部勝訴」と報道した。上記の基準@を素直に読めば、 不起立処分システムをなくすことはできなかったけれど減給以上の処分はなくなると受け取れる。今回この基準に沿って河原井さん、 渡辺さんの処分が取り消されたことは喜ばしい。しかし、問題はA。司法が「学校の規律や秩序」を害したと認定すれば、 不起立処分とセットでいかなる処分も妥当とする道を開いたのではないか。
 この先、10年間不起立を続けても戒告止まりとは思えない。「秩序を害した」とされはしないか。また、大阪維新の会の教育基本条例案は、 「判決を踏まえて」不起立処分の次に「指導研修」「誓約書」を入れた。「誓約書」は判決の「態度」「秩序を害する」 判断に使われるのは火を見るよりも明らかだ。
 判決は一方に救済する者を作り、そこを落としどころにして「君が代」裁判の幕引き・運動の終息を狙い、もう一方で私に止めを刺し、 それを以って現場の教員への見せしめとし、国家に都合の悪い教員を容易に排除する道をつくった。
 また、私の過去の処分を持ち出したことは教育内容への弾圧という側面を持つ。子どもたちが国が隠そうとする事実を知り、 自分の頭で考えることを権力が怖れる結果だ。そもそも「君が代」不起立処分も目的は、子どもたちが歴史の事実を知り、 考えては困るからなのだけれど。

posted by JCJ at 15:35 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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