2012年7月11日
日本ジャーナリスト会議 (JCJ)
代表委員 太田武男 柴田鉄治 清水正文 隅井孝雄
中村梧郎 守屋龍一 吉原功
事務局長 阿部 裕
日本ジャーナリスト会議 (JCJ)
代表委員 太田武男 柴田鉄治 清水正文 隅井孝雄
中村梧郎 守屋龍一 吉原功
事務局長 阿部 裕
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、1958年以来、年間の優れたジャーナリズム活動・作品を選定して、「JCJ賞」を贈り、顕彰してきました。今年は55回の節目になります。
7月7日の選考会議で、別掲の6点を、受賞作と決定しました。お知らせします。
JCJ大賞には賞状とクリスタルトロフィー、JCJ賞及び特別賞には狩野炎立氏制作の陶額「光炎」を贈呈します。
JCJ賞選考委員は、以下の6人(50音順・敬称略)です。
諌山修(ジャーナリスト) 伊藤洋子(前東海大学教授) 清田義昭(出版ニュース社代表) 酒井憲太郎(フォトジャーナリスト) 柴田鉄治(ジャーナリスト/JCJ代表委員) 塚本三夫(中央大学名誉教授)
<贈賞式>
日時:8月11日(土)13:00〜
会場:日本プレスセンター・ホール(東京・内幸町)
*ご参加のうえ取材・報道を、お願い申し上げます。
▼お問合せなどは、下記事務局まで、お願いします。
▼日本ジャーナリスト会議(JCJ)の沿革や活動、これまでのJCJ賞については、下記ホームページを参照してください。
日本ジャーナリスト会議 (JCJ)
〒101−0064東京都千代田区猿楽町1−4−8 松村ビル4F
電話 03−3291−6475 FAX 03−3291−6478
JCJ賞ホームページ http://jcj-daily.sakura.ne.jp/jcjsho12.htm
Eメール jcj@tky.3web.ne.jp
JCJ賞推薦委員会 責任者 茂木 章子
◎ 2012年度 JCJ大賞、JCJ賞、特別賞 ◎
〔JCJ大賞〕
「福島原発事故後に国が設定した許容被曝量を疑問視し、危険を追及した『こちら特報部』の一連の報道」
〔受賞者〕 東京新聞特別報道部
[受賞理由] 「こちら特報部」の報道は、当局の「発表」に依存しない。自らの問題意識を基礎に取材し、その成果を紙面に反映させている。また、各地の原発反対集会を積極的に取り上げ、許容被曝線量問題にとどまらず、「原発安全神話」の虚構、電力会社の需給予測のごまかし、大飯原発再稼動を巡る関電や政府の言い逃れなど、その取材と追及・検証が光り、多くの読者・市民の賛同を集めている。
〔JCJ賞〕
「沖縄防衛局長の『オフレコ』暴言スクープ」をはじめとする米軍普天間飛行場移設問題をめぐる一連の報道」
〔受賞者〕琉球新報 米軍普天間飛行場返還移設問題取材班
[受賞理由] 沖縄防衛局長の暴言は、「オフレコ懇談」の場とはいえ、沖縄県民と女性を蔑視し、その尊厳を踏みにじる重大発言と捉え、報道に踏み切った。ともすれば記者を抱き込もうとする「オフレコ懇談」のあり方に一石を投じた。情報は常に、読者のためのものであることを再認識し、琉球新報社挙げてこれを全面的に支持したことも評価される。
〔JCJ賞〕
安田浩一「ネットと愛国」講談社4月18日刊
〔受賞者〕安田 浩一
[受賞理由] 聞くに堪えない差別的な言葉を叫び、街頭活動を行う「在特会」(在日特権を許さない市民の会)とは? その実態と闇を暴く。なぜネット右翼が街に出て、民族差別を煽る怨嗟と憎悪の行動に走るのか。「うまくいかない人たち」による「守られている側への攻撃」という”病巣”、ネットが媒介する人間関係の脆弱性・無思想性が抉りだされる。今日本が抱える新しいタブー集団に切り込み、若者の”潜在意識”を浮き彫りにした鮮烈なルポ。
〔JCJ賞〕
NNNドキュメント12「行くも地獄 戻るも地獄〜倉澤治雄が見た原発ゴミ〜」3月11日放送
〔受賞者〕NNNドキュメント12「行くも地獄 戻るも地獄」取材班(日本テレビ・札幌テレビ・中京テレビ)
[受賞理由] 原発から出る”核のゴミ”をどう処分するか。その実態を世界に追う。スリーマイル島原発の溶け落ちた核燃料は、3000キロ離れた施設に33年間保管されている。気の遠くなる実態に、カメラが初めて入った。さらに浜岡原発や六ヶ所村再処理工場、北海道幌延町、フランス、モンゴルなどを多角的に取材。人類が核のゴミを制御・処分する技術を確立しないまま、原発を推進してきた現実を厳しく告発する。
〔JCJ賞〕
インターネット放送局「OurPlanet−TV」の一連の報道活動
〔受賞者〕NPO法人OurPlanet−TV 白石草代表と制作スタッフ
[受賞理由] 非営利のインターネット放送局OurPlanet−TVは、「3.11」以後、原発災害問題の取材を強化し、子どもの被曝問題などで積極的な取材と情報発信を展開している。4月には「徹底検証!テレビは原発事故をどう伝えたか」を放送し、大手テレビの原発報道を市民目線で初めて検証した。こうした一連の活動は、大手メディアによる独占的な情報発信だけでなく、市民の立場からの新たな情報回路を創出しようとする画期的な取り組みであり、高く評価したい。
〔特別賞〕
横浜事件・再審裁判=記録・資料刊行会『横浜事件・再審裁判3部作』高文研2011年10月3日刊
〔受賞者〕 横浜事件・再審裁判=記録・資料刊行会
[受賞理由] 横浜事件は、出版史上最大の弾圧事件である。特高警察による凄惨な拷問で2人が獄死し、出版社(中央公論社と改造社)が廃業させられた。この「権力犯罪」による事件を、裁判所が「冤罪」として認めるまでの過程を、<全記録・ドキュメント・総括>の3部作で明らかにする。今なお「秘密保全法」の策定など、言論の自由が脅かされ、また冤罪事件が続く状況にあって、本3部作の刊行は、極めて価値のある業績として評価される。