2013年7月26日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)
代表委員:柴田鉄治 清水正文 白垣詔男
隅井孝雄 中村梧郎 守屋龍一 吉原功
事務局長:林 豊
代表委員:柴田鉄治 清水正文 白垣詔男
隅井孝雄 中村梧郎 守屋龍一 吉原功
事務局長:林 豊
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、1958年以来、年間の優れたジャーナリズム活動・作品を選定して、「JCJ賞」を贈り、顕彰してきました。今年で56回になります。7月13日の選考会議で、JCJ賞5本、特別賞1本、大賞は無しと決定しました。お知らせします。
JCJ賞選考委員は、以下の6人(50音順・敬称略)です。
諌山修(ジャーナリスト) 伊藤洋子(前東海大学教授) 清田義昭(出版ニュース社代表) 酒井憲太郎(フォトジャーナリスト) 柴田鉄治(ジャーナリスト/JCJ代表委員) 塚本三夫(中央大学名誉教授)
<贈賞式>
日時:8月10日(土)13:00〜
会場:日本プレスセンター・ホール(東京・内幸町)
▼お問合せなどは、下記事務局まで、お願いします。
▼日本ジャーナリスト会議(JCJ)の沿革や活動、これまでのJCJ賞については、こちらを参照してください。
日本ジャーナリスト会議 (JCJ)
〒101−0064東京都千代田区猿楽町1−4−8 松村ビル4F
電話 03−3291−6475 FAX 03−3291−6478
JCJ賞ホームページ http://www.jcj.gr.jp/jcjsho13.htm
Eメール jcj@tky.3web.ne.jp
JCJ賞推薦委員会 責任者 茂木章子
2013年度JCJ賞
●大賞は該当なし●
〔JCJ賞〕「標的の村〜国に訴えられた東村・高江の住民たち〜」
〔受賞者〕琉球朝日放送
オスプレイ普天間基地配備強行に反対する沖縄県民の闘いを、国に標的≠ノされた東村・高江地区の安次嶺現達さん一家を軸に描いたテレビドキュメンタリーである。普天間基地を完全封鎖した県民の歴史的な闘いを、5年8か月にわたる長期取材をもとに構成し、米安保体制に対する沖縄県民の怒りが限界を超え、爆発寸前の状況にある現実を抉り出し、告発した。
(2012年12月1日16:00〜16:55)
〔JCJ賞〕シリーズ東日本大震災「空白の初期被ばく〜消えたヨウ素131を追う〜」
〔受賞者〕NHKスペシャル取材班
東電福島第一原発事故から早くも2年以上が過ぎた。爆発で放出された放射性物質のうち半減期8日のヨウ素131は、子どもの甲状腺ガンとの因果関係が科学的に立証されている。番組は、全国各地の科学者たちが住民の切実な要望にこたえようと、被ばくの実情やヨウ素拡散の正確な実態把握に取り組む姿を描き、放射性物質の危険性をあらためて伝えた。
(2013年1月12日21:00〜21:50)
〔JCJ賞〕新聞連載企画「原子力 負の遺産 核のごみどこへ」
〔受賞者〕北海道新聞取材班
原発問題でも極めて深刻な「核のゴミ」問題に、多角・広範囲の取材と長期の連載で挑んだ。10万年以上の密閉が不可欠な「核のゴミ」を人類がどう取り扱っていくのか。核のごみや核燃料サイクル政策、放射能汚染などをテーマに、丹念で広範囲の取材で現状を浮き彫りにし、問題の所在を的確に伝えた。
(2012年4月から13年2月まで、第1部から第6部にわたり朝刊1面で連載)
〔JCJ賞〕『ルポ イチエフ 福島第一原発 レベル7の現場』(岩波書店)
〔受賞者〕布施祐仁
フリーライターの布施氏が、2011年3月の福島第一原発事故後、15回も福島に足を運び、事故処理に駆り出された労働者の過酷な実態を克明に描いた。「イチエフ」とは、福島第一原発の現場作業員たちの呼称。本書は7次に及ぶ下請け、孫請け労働者に粘り強く取材し、重い口を開かせている。過酷な労働条件のもと、労災事故の実態、日当や危険手当のピンハネなど命と引き替えに過酷な現場で「復旧」に当たっている労働者の実態を告発する。
(岩波書店 2012年9月27日刊)
〔JCJ賞〕写真集『福島 FUKUSHIMA 土と生きる』(藤原書店)
〔受賞者〕大石芳野
戦争や内乱、苦悩の中でも生き抜く人々を撮り続ける著者が2012年12月までの約1年半、福島の現地に通いつめ、取材・対話を繰り返して「土」を奪われた福島の人々の生を切り取った。約230枚の写真は、原発事故の非情さ、被災者の苦悩そしてその中から生まれる未来への希望の種をも写している。著者が「土と共に生きる人たち、染みついた放射能に抗い格闘を続ける福島の人たちと問題を共有し」あった記録である。
(藤原書店 2013年1月30日刊)
〔特別賞〕相馬高校放送局の高校生たちが3・11大震災後に取り組む活動
〔受賞者〕相馬高校放送局
3・11後の福島には、現代日本の矛盾が凝縮されている。原発事故や放射能について自由に語り話し合うことがタブーとされている。相馬高校放送局の生徒たちは音声・映像、演劇などの作品群を通して、その「禁」を打ち破った。「安全」「収束」の声に疑問をなげかけ、社会的現実を討論し見極め、今言わなければならないことを、心の奥底の不安、怒りとして表出した。日本の高校生の可能性を示す言論活動として評価される。