むのさんは「人々の権利と考えを社会にぶつけるのが本来のジャーナリズムだ」と強調。埼玉新聞などの地方紙に対して「人々の歴史と土地の特性を掘り起こし、新しい文化の風を起こしてほしい」とエールを送った。
埼玉新聞サポーターズクラブ(門奈直樹代表)が呼び掛け、秋田県人会やマスコミ関係者らで作る実行委員会が主催。80人を超える市民がむのさんの気迫ある訴えに熱心に耳を傾けた。
むのさんは1945年8月、戦争責任を取る形で朝日新聞を退社した反骨のジャーナリスト。戦前初期は自由主義的色彩が強く軍部に批判的だった朝日新聞だが、次第に軍部の脅迫に屈し、自己規制を始めたという。約10万人が死んだ東京大空襲を「被害軽微なり」と報道するなど、戦争の真実を伝えてこなかった。
「日本の新聞は軍部を批判せず、あの戦争に協力した」とむのさんは語る。「なぜそうなったのか。一番欠落していたのは『人権は普遍的な権利』だというヒューマニズムの思想。当時の日本人は人民(ピープル)ではなく臣民。臣民は天皇の召使い。絶対君主制の中で、新聞も文句を言えなかった」
むのさんは戦後、郷里の横手市で週刊新聞「たいまつ」を創刊。発行は30年間続いた。今も生活者の視点から日本の姿を見つめ、「平和塾」を開講するなど、戦争のない平和な社会の実現に向けて言論活動を続けている。
増え続ける核兵器や憲法9条「改正」の動きを批判した上で「物事のつながりを分析し、原因、過程、結果、未来を伝えることがニュースであり、本来のジャーナリズム。今こそジャーナリズム本来の役割を果たしてほしい」と呼び掛けた。
*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2013年8月25日号4面から
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