2014年03月24日

マスコミは何をすべきか 安倍改憲内閣とどう対峙 マスコミ9条の会大阪がシンポ

 マスコミ9条の会大阪が主催し、日本ジャーナリスト会議関西支部と自由ジャーナリストクラブが協賛したシンポジウム「安倍改憲内閣とマスコミの役割」が3月8日午後、大阪市内で行われた。特定秘密保護法案の強行や集団的自衛権問題、さらにはNHK会長・経営委員の暴言など憲法とジャーナリズムに関わる重大問題が相次いでいるだけにタイムリーなシンポとなった。
 冒頭、マスコミ9条の会大阪の呼びかけ人の一人、元毎日放送取締役編成局主幹の辻一郎さんが「第2次大戦後、いまほど怖い時代はない。マスコミが言うべきことを言っていないのが問題だと思う。このシンポを通じてマスコミは何をすべきかをともに考えていきたい」と主催者挨拶した。

 これを受けて、隅井孝雄ノートルダム女子大学客員教授をコーディネーターに中日新聞(東京新聞)大阪編集部長の坂本充孝、NHKOBで映像ジャーナリストの小山帥人、元朝日新聞論説副主幹(大阪)の政井孝道の3氏が討論した。
 坂本さんは「心底恐ろしいと思うのはメディアを使った世論操作。終戦直後にGHQが出したプレスコード(日本に与える新聞遵則)の亡霊がさまよっているのではないかとさえ思う」と警鐘を発し、小山さんは「秘密保護法をめぐってこれだけ盛り上がったのは60年安保以来ではないか。新聞は見通しが悪く、洞察力も弱かったが、国会上程後は反対の社説をどんどん出した。これに対してNHKは及び腰だった。安倍内閣は第一次のときからNHKをコントロールしようとしていた」と指摘した。
 政井さんは「安倍首相は靖国神社参拝で本体を露出させたが、伝統的自民党の親米保守と『戦後レジームからの脱却』という安倍首相の路線は矛盾しているのではないか。外圧との攻防、屈折、動揺を見せながらも、教育改革など国内に通用する“国民物語”は強行しているが、アベノミクス次第で途中崩壊もあり得る」と語った。
 約50人が参加したフロアーからは「マスコミは事実に基づいて真実を伝えてほしいが、一方で受け止める側が劣化しているのではないか」「新聞、テレビの幹部が頻繁に安倍首相と会っているが、なぜなのか」などの意見が出た。またNHKのディレクターも「現場では「つらい」「許せない」などいろんな声が出ている。会長発言は放送倫理に照らして許せないもの。内外に向けて放送倫理に対してどうなのかを問うていきたい」と発言した。

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2014年3月25日号)


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posted by JCJ at 04:00 | TrackBack(0) | 関西 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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