2014年08月02日

世界の成長を見ない危うさ=大野 晃

 ブラジルで開催されたサッカーのワールドカップは、ドイツが24年ぶり4回目の優勝を飾って閉幕した。日本代表は一次リーグで1勝もできず、1分け2敗で敗退し、期待はずれに終わった。
 「自分のプレーができなかった」と日本代表から悔やむ声が上がり、中には「マスメディアを含め厳しく見つめ、育ててほしい」という訴えもあった。決勝トーナメント出場を当然視して煽ったマスメディアには日本代表のきちんとした敗因分析が求められている。

 大会を通して得点の多い激しい闘いが続いたが、日本代表には体を張って相手防御を切り裂く勇気が欠けていたように思われた。攻める形にとらわれて中途半端な攻撃が目立った。攻め切れずに防御にスキが出た。初戦の対コートジボワール戦で鮮やかに先制点を取りながら、その後は迷い道に入ったようだった。
 果たして自分たちの攻撃法が体力や技術に裏打ちされて世界で勝ち抜けると確信していたのか。ドイツの確固たる姿勢と比べると浮ついていたように強く感じられた。技術や体力、精神的なタフさでも、出場代表の中でかなり劣って見えた。
 世界の成長度を見すえながら、自らの不足を着実に補い、自らの良さを確実に発揮する総合的な準備を怠っていたのではないか。鎖国的に、独善的な自己評価をしていたのではないか。欧州でプレーする代表が多かったのに、世界の変化を度外視してはいなかったか。
 安倍政権にも通じる危うさを痛感した。
 監督交代だけでは克服できない課題が多いのではないか。欧州クラブ進出のプレーヤーが増えたことが、どう日本サッカーのレベルアップに還元されているか。Jリーグの中身はどう発展しているか。ジュニア層はどう育てられているか。その全体を分析しなくては日本サッカーの到達点が見えてこない。スポーツメディアは根拠の薄い期待を煽ることを自省し、分析の材料を提示することに努力すべきだ。(スポーツジャーナリスト)

JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2014年7月25日号4面より


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posted by JCJ at 15:16 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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