2014年10月03日

改造内閣、異様さ目立つ女性閣僚=中村梧郎

 安倍首相の改造内閣は、変化した体質をこそ問題としなければならない。だが多くのメディアは「5人の女性閣僚」「女性重視」などと、首相側の策に乗った取り上げ方をした。自民党議員の中で女性議員は一割にも満たない。それをいかにも「女性重視の党だ」と見せかける演出である。
 問題は変身した新内閣の閣僚19人のうち15人が改憲・右翼団体「日本会議国会議員懇談会」のメンバーだという点だ。とりわけ女性閣僚らの異様さが際立つ。高市早苗総務相と稲田朋美政調会長は、ネオナチ「国家社会主義日本労働者党」の山田一成代表とのツーショット写真がある。

 それがネットで流れ、ヨーロッパのメディアは事態を驚きとともに報じた。日本会議の推薦で参議院議員となった有村治子女性活躍相は「万世一系の国柄を次代に」と叫び、天皇中心思想の教育を狙う。山谷えり子国家公安委員長は「慰安婦はいなかった論」の先頭に立つ。
 今年2月のリレー時評でも触れたが、山谷議員らは2012年5月に米・パリセーズパーク市に行き、完成した慰安婦記念碑を撤去するよう要求した。現地を取材してみると、こうした行動が「日本は性奴隷制度を隠蔽しようとしている」との印象を与え、より多くの碑を作ろうという動きにつながったことがわかる。全米には今年ですでに七つもの碑ができている。日本の右派集団が起こした碑撤去要求の裁判もカリフォルニア連邦地裁で門前払いとなった。
 いっぽうで朝日新聞が行なった「慰安婦強制連行の吉田清治証言取り消し」問題では、産経新聞を筆頭に鳴り物入りの大宣伝が展開された。慰安婦問題全体が誤報だと言わんばかりの詭弁である。神奈川新聞8月10日社説は、「慰安婦報道撤回、本質は強制連行にない」と題して「問題の本質は、女性たちが戦地で日本軍将兵に性的行為を強要されたことにある。慰安でなく性暴力を受けた。…その制度作りから管理運営に軍が関与していた」と指摘した。日本が性奴隷制度を作った事実は消すことができないのだ。
 防衛省保管の「海軍航空基地設営班資料」には主計長・中曽根康弘海軍中尉の「主計長の取り計らいで土人女を集め慰安所を開設…」との記述がある。さらに元産経新聞社長の故・鹿内信隆は『いま明かす戦後秘史』(サンケイ出版)で桜田武・元日経連会長と対談している「…戦地に行きますとピー屋が…桜田・そう慰安所の開設。鹿内…その時に調弁する女の耐久度とか消耗度、それに…将校は何分、下士官は何分、兵は何分と…こんなことを規定しているのが『ピー屋設置要綱』で、これも(陸軍)経理学校で教わった」と証言している。
 調査・喚問の対象とすべきなのはこうした面々でなくてはならない。
(JCJ代表委員)


*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2014年9月25日号4面


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