2015年02月02日

【JCJ声明】「イスラム国」の後藤さん殺害に強く抗議する

 中東の「イスラム国」を名乗る武装グループは1日、日本人ジャーナリスト後藤健二さんを殺害したとする映像をインターネットで公開した。殺害が事実であるなら、「イスラム国」の残虐、かつ非人道的な蛮行は絶対に許すことはできない。
 後藤さんは、さまざまな困難を乗り越えてイラクやシリアなどの紛争地域に入り、戦闘で苦しむ子供たちや市民の報道に一身をなげうち、世界に実態を伝えてきたジャーナリストだ。その後藤さんを殺害することは、国際的に最も高く保障されるべき言論・表現の自由を抹殺するにも等しいことであり、私たち日本ジャーナリスト会議は「イスラム国」の蛮行に対し、最大限の怒りを込めて抗議する。
 今回の「イスラム国」の蛮行に関し、見逃がせないのは安倍内閣の外交姿勢である。安倍首相は1月17日、エジプト・カイロで演説し、「『イスラム国』と戦う周辺国に総額2億ドル程度の支援を約束する」と発言した。「イスラム国」が後藤さんら2人の日本人を人質として公開したのは、その3日後の1月20日である。安倍首相の不用意な発言が、日本人を標的にした人質事件に口実を与えたとみて間違いない。
 「イスラム国」は後藤さんの妻に昨年12月のメールで、20億円を超える身代金を要求していたとメディアが報道している。これについては、外務省が警察当局と協議しながら、メールを送信した人物の解明などに当ってきたという。後藤さんが拘束された昨年11月から今日まで「イスラム国」とどういう解放交渉を行ったのか。政府に説明責任がある。私たちは政府がすべての資料を国会に報告し、説明責任を果たすよう要求する。
 私たちが懸念するのは、安倍首相の「積極的平和主義」に基づく「イスラム国」への挑発的・好戦的な態度である。「イスラム国」は日本が米国等の「有志国連合」に事実上参加表明をしたと見ている。つまり、日本は平和憲法に根差した従来の中立的立場から、米国流「新十字軍」陣営に鞍替えしたと受け止められているのだ。安倍首相の愚策は今後、日本国民に甚大な被害を及ぼす可能性が強い。私たちは、安倍内閣に対し、憲法9条を持つ平和国家にふさわしい外交政策に立ち戻るよう強く要求する。

2015年2月2日
日本ジャーナリスト会議

posted by JCJ at 23:00 | TrackBack(0) | パブリック・コメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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