2015年07月29日

「安倍目線」で「政権」を代弁する読売=白垣詔男

  「安保関連法案」という名の「戦争法案」が7月16日、衆議院を通過した。
 自民・公明の与党と次世代の党だけが出席、他の全野党は欠席した。
 日本では本会議採決は儀式といってもよく、15日の平和安全法制特別委員会で与党が強行採決して衆議院での審議は事実上決着したことになる。
 特別委の強行採決という暴挙を受けた16日朝刊各紙の社説は、読売を除き(産経は西部では超弱小紙で読めない)3紙は1本社説で「安保法案の採決強行――戦後の歩み覆す暴挙」(朝日)、「民主主義揺るがす強行」(毎日)、「『違憲立法』は許されない」(西日本)といずれも安倍政権の強行採決に激しく抗議する。西日本は社説を1面に掲載、毎日は1面に政治部長名で「民意畏れぬ『数頼み』」と安倍政権に対して厳しい論評を書いている。

 読売は2本社説で特別委強行採決を「特別なニュース」扱いにはしていないうえに、「安保法案可決 首相は丁寧な説明を継続せよ」との見出しで、安倍目線」で安倍政権の代弁をしているとしか思われない内容だ。
 見出しは「首相はこれまで丁寧な説明をしてきた。これからもそれを続けよ」という意味に受け取れる。しかし、首相が「丁寧な説明」をしたというのは事実ではないので「継続せよ」とは「誤報」と言ってよく、読者を安倍政権に都合のいいように言いくるめようとの姿勢が貫かれている。
 特別委などでの首相答弁・発言に対し、朝日、毎日、西日本は各種世論調査を踏まえるなどして「首相の説明は不十分」「国民に納得いく説明ができていない」と「丁寧な説明には反する」と指摘するが、読売は「委員会での審議は約116時間に達し……論点はほぼ出つくし(た)」「野党3党は採決に参加しなかった。法案の成立の阻止を目指す民主・共産両党はともかく、維新の党が退席したのは残念だった」と、最後まで維新の党抱き込みを狙った「安倍政権」の思惑を代弁する。
 さらに、憲法をねじ曲げる危険な法案が特別委で可決されたその夜、老川祥一読売グループ本社取締役最高顧問が安倍首相らと会食をした。時をわきまえない政権との癒着に、同じマスコミの末席にいたことのある者として非常に恥ずかしく、赤面する思いだった。


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posted by JCJ at 13:33 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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