2015年07月29日

中露が目指す新ユーラシア=伊藤力司

 ウクライナ危機――クリミアの編入によってG8のメンバーから外されたロシアは、中国との連携を深めてユーラシア新時代を開こうとしている。  プーチン大統領はロシア連邦バシコルトスタン共和国の首都ウファで7月8〜9日、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)の、同10日には上海協力機構(SCO)の首脳会議を主催し、中国の習近平主席とともに21世紀の成長株である新興国グループの結束を誇示した。
 世界人口の42%を占めるBRICSは今年から独自の開発銀行を発足させ、域内のインフラ整備やエネルギーの共同開発に本腰を入れる。今回の首脳会議はまた、国連での新興諸国の地位向上を支持する共同宣言を採択した。

 この機会に習近平主席は中国が、ロシア主導の「ユーラシア経済同盟」(露、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス)を、またプーチン大統領はロシアが、中国の陸と海のシルクロード経済圏(一帯一路)構想を、お互いに連携することを確認し合った。
 中国、ロシアと中央アジア4カ国から成るSCOはこの首脳会議で、これまで準加盟国だったインドとパキスタンの本加盟を決めた。
 この両国は1947年の独立以来3回も戦争をした「犬猿の仲」だが、SCOの枠内で平和共存を試行することになった。
 インドは中国とも国境紛争を抱えているが、ユーラシア新時代の下で中印和解が進む可能性が出てきた。
 またSCO準加盟国イランの本加盟も議題に上った。イランは核開発問題で国連安保理による制裁を受けているが、この7月13日にこの問題をめぐる国際交渉が妥結したため、遠からず制裁が解除されるので、イランの本加盟は時間の問題である。
 イランが本加盟すると、SCOの人口は地球人口の60%を超えるし、国内総生産(GDP)の総和もG7グループのGDP総和の85%以上になる。
 21世紀の成長軌道は、従来の先進国主導からアジア、アフリカ、ラテンアメリカの3Aグループへと移行しつつあるが、その主軸は既に動き出している。


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posted by JCJ at 13:34 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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