2015年07月29日

米国に主戦場移す右派勢力 「慰安婦」問題否定に躍起=橋詰雅博

 東京・千代田の日比谷図書文化館小ホールで6月23日に行われたJCJ講演会のテーマは「『慰安婦』問題をめぐる右派の動き」。
 講師は米国モンタナ州立大准教授の山口智美さん(文化人類学専攻)。実は2月に慰安婦報道でバッシングを受けた元朝日新聞記者・植村隆さんのねつ造を否定する講演会をJCJなどが実施した際、彼の後を受けて山口さんは右派勢力の動向について話した。ただ駆け足講演だったので、聞き足りないという声が強かったため彼女だけの講演会開催を企画し、この日、実現した。

 山口さんが慰安婦問題に注目したのは、男女共同参画社会に反対する日本の右派勢力を長年、調査・研究してきた過程で、旧日本軍による慰安婦強制連行を否定する右派の運動や政府の動きに突き当たったからだ。そして2年ほど前から本格調査を始めている。
 右派運動の最近の特徴は米国への拡散だと指摘する。
 代表例としてカリフォルニア州グレンデール市が公園に設置した慰安婦像の撤去を求め、在米日本人数人と「歴史の真実を求める世界連合会」(目良浩一元ハーバード大助教授が共同代表)によるロス地裁とカリフォルニア州裁への提訴をあげた。
 「ロス地裁は昨年8月に原告の訴えを棄却したが、原告は今年3月に控訴。片やカリフォルニア州裁は3月にロス地裁判決と同じく棄却し、そのうえ訴訟をSLAPP(スラップ=恫喝的訴訟)と認定。原告のボロ負けでした」(山口さん)
 だが右派は懲りなかった。4月下旬には安倍首相訪米期間中にワシントン州立セントラル大で「慰安婦」問題を否定する映画を上映した。同州立大の日本人女性教授が企画したものだが、映画は不入りで、不評を買った。
 一方、外務省は米大手教育出版社のマグロウヒル社の教科書に載った「慰安婦を強制連行した」などの記述に対して1月に執筆者のハワイ大准教授に面談し、訂正を要求した。官民挙げて慰安婦問題否定に躍起なのだ。「右派勢力は慰安婦問題で朝日新聞が吉田証言記事を取り消したことで、国内では勝利≠オたと思っている。だから運動の主戦場を米国に移している。米国からの発信は効果が大きいと見ている」(山口さん)
 右派勢力は何やら米国でも不気味な動きをしている。ちなみに山口さんは国際基督教大出身で、米ミシガン大修士・博士課程を経て07年からモンタナ州立大で教えている。

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posted by JCJ at 13:36 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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