2015年08月16日

【今週の風考計】8.16

◆3300字に及ぶ戦後70年「安倍談話」の冗漫さは極まる。発表までに二転三転、迷走したあげく「侵略」「植民地支配」「痛切な反省」「おわび」の言葉だけは盛り込んだ。それも傍観者的に引用する形で、脈絡はなく、覚悟も心もなし。◆「私は」の主語がないどころか、慰安婦問題への記述もなく、かつ日本の加害責任には全く触れず。首相自らの歴史認識はあいまいにしたままだ。「どのような行為が侵略に当たるかは歴史家の議論に委ねるべきだ」などと、いまだに強弁する始末。◆率直に加害の過去を反省した村山・小泉両談話の姿勢とは大違い。両談話は「私は」という主語をはっきり使い、謝罪意思を明確にした。だが「安倍談話」には、それがない。◆憲法の「け」の字もない。世界に誇るべき「憲法9条」の、日本の平和主義と不戦の誓いは、今こそ広く世界にアピールすべきではないか。15日の戦没者追悼式でも、安倍首相は3年続けて触れず、加害責任への言及も避け、天皇陛下の「深い反省」という言葉との隔たりは際立つ。◆さらに「積極的平和主義」の美名をかぶせて、「戦争法案」を強行するのは、どういう神経だ。これでは言葉の裏から鎧が透けて見える。世界から鋭く批判されるのは当然だ。(2015/8/16)
posted by JCJ at 07:09 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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