2015年10月11日

【今週の風考計】10.11

微生物→素粒子→原発被曝→対話とくれば、今年のノーベル賞が授られた、各分野の業績テーマ。まさに肉眼では見えない対象を追求してきた、地道な努力の結晶が評価された。喜ばしい。医学・生理学賞の大村智さんは、土の中に生息している放線菌の効能を生かし、失明に至る目の病気を治癒する方法を開発し3億人を救う。「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」と謙遜する。また素粒子ニュートリノに質量があることを明らかにして、物理学賞の梶田隆章さんは、「宇宙にはわからないことがいっぱいある」と謙虚だ。チェルノブイリ原発事故による被曝の実態を記録した『チェルノブイリの祈り』で、文学賞を受けたベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシェービッチさんは、福島原発事故は「人類全体にとっての悲劇です」と述べる。さらに平和賞は「チュニジア国民対話カルテット」。北アフリカ・チュニジアで、イスラム勢力と世俗勢力の歩み寄りを促し、民主化を進めた取り組みへの授与。共通するのは、すぐに実効を上げようと躍起になったり、スローガンを掲げて大言壮語などしていないことだ。安倍政権も見習え。<一億総活躍>とハッパをかける前に、国民一人一人の、表面からは目に見えない生活の声に耳を傾けよ。(2015/10/11)
posted by JCJ at 10:12 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック