2016年03月11日

競技組織の闇に挑め=大野 晃

 年明けから、国際競技団体や国際競技会の不正暴露が相次いでいる。世界反ドーピング(禁止薬物使用)機関の第三者委員会報告書は、ロシアの組織的なドーピングに関し国際陸上競技連盟(国際陸連)前会長がもみ消し取引をプーチン・ロシア大統領に持ちかけたと指摘した。さらに同前会長の会話の中に2020年東京五輪招致にからみ日本側が400万ドルから500万ドルの協賛金を国際陸連に支払ったとあったとも記載した。
 世界的な公的機関の公式文書による暴露だが真相は闇の中だ。

 一方、英国BBC放送など英米の報道機関はテニスのウィンブルドン大会や全仏オープン大会などで八百長が行われた可能性があると報じ、豪州の競技者らが八百長を持ちかけられたと証言したという。直接関係はないが国際テニス連盟はテニス賭博に関係したとして2審判員を永久追放処分などにしたと発表した。
 ドーピング違反、八百長疑惑や賭博行為と国際競技団体のかかわりを追及する海外の報道は、厳しさを増し、競技団体を揺り動かしている。
 日本では元プロ野球競技者の清原和博・覚醒剤剤事件に関し、巨人軍時代から使用していたとの証言がスポーツ紙などで報じられた。現役プロ野球競技者の覚醒剤関与が事実なら、ドーピング以上に重大問題である。昨年、所属競技者の野球賭博関与が明るみに出た巨人軍だが、以前から覚醒剤にも関係していたことになり、暴力団とのつき合いが疑われる。警察発表待ちで済まされまい。実態の調査報道が不可欠だろう。
 国際サッカー連盟の不正をはじめ国際競技団体や競技組織の疑惑が次々に明るみに出ているが日本のマスメディアの追及は一過性にすぎない。「再発防止」なる関係者の弁明を伝えることでお茶を濁しているようだ。東京五輪招致の舞台裏も、招致関係者の語るにまかせたままで不透明だ。闇を切り裂く報道の原点を忘れてはなるまい。
(スポーツジャーナリスト)


*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」(2016年2月25日号)


<JCJ機関紙購読・会員加入申込みHP> http://jcj-daily.sakura.ne.jp/postmail/postmail.html
・「ジャーナリスト」はタブロイド判8面、毎月25日の発行です。
・年間購読料:3000円(12号分)です。
※会員の場合、機関紙購読料は会費に含まれています。(←いまなら郵送料込み)

posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック