2016年03月28日

不安・不快ばかり撒き散らし、口先だけで結局、結果出せない安倍政権――懸念される経済・賃金・増税、安保法・原発再稼働、相次ぐ不祥事…(1)

▽代々木公園に3万5000人 脱原発訴え、安保関連法に反対

 東京都渋谷区の代々木公園で、29日施行の安全保障関連法への反対と、脱原発を訴える集会が26日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれ、参加者が「戦争のできる国になってはいけない」「原発再稼働は許さない」などと訴えた。主催した「さようなら原発1000万人アクション」や「首都圏反原発連合」などによると、約3万5千人が参加。その後、渋谷の街などをデモ行進した。

(JCJふらっしゅ「報道クリップ」=小鷲順造)


 共同通信は、作家の沢地久枝さんが安保関連法の施行について、「子や孫、その先の世代まで何のためか分からない戦争に投じられ、血を流すことになる」と懸念を示し、「戦争ができる国になるのは絶対に反対だ」と語ったと伝えた。
 時事通信は昼から始まった集会のステージに、主催団体の一つである「首都圏反原発連合」のミサオ・レッドウルフさんが登壇し、現状について「原発推進、維持の国になっている」と安倍政権を批判したことを伝えた。

 朝日新聞は、脱原発への政策転換を求める「さようなら原発1000万人アクション」など四つの市民団体が呼びかけたことを伝え、ステージでは、作家の澤地久枝さんが「5年たっても福島の人たちはふるさとを追われたまま。一人でも多く声を上げ、政権に示そう」と訴えたこと、集会には学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーも参加し、芝田万奈さんが「廃炉には莫大な時間とお金がかかる。判断力、想像力のない人たちに未来は託せない」と述べたこと、1歳の長男とデモ行進に参加した東京都清瀬市の主婦は「たった5年で原発回帰が始まっているのは悲しい。子どものためにも原発ゼロを訴えていかなければならない」と話したことを伝えている。
 毎日新聞は、集会後、週末でにぎわうJR渋谷駅前のスクランブル交差点などをデモ行進し「原発はいらない」「再稼働反対」と訴えたことも付け加えた。  朝日新聞、毎日新聞は、サイトに掲載した同記事のトップに動画も載せている。
 東京新聞は、沢地久枝さんが、原発輸出推進や安全保障関連法施行など安倍政権の政策に触れ、「私たちはなめられている」「それが日本人の意思であるように言う政治家らを、このままにしておいていいとは思わない」と憤ったことを伝え、東電元幹部らの刑事責任を追及している福島原発告訴団副団長の佐藤和良さんが「福島を切り捨てる政権の原子力推進政策を許すわけにはいかない」と怒りをぶつけたことなども伝えた。

 しんぶん赤旗は、この統一行動は今回で6回目で、安倍晋三政権と電力業界に圧力をかけて原発をなくそうと、全国各地から参加があったこと。三つのステージが設けられ、青空のもと「原発いらない」「再稼働反対」「安倍政権ノー」の声を響かせ、デモ行進したことを紹介。
 ステージ上に「福島原発事故を忘れるな」のむしろ旗がたてられ、福島県双葉町から東京都内に避難している女性(71)が「ふるさと双葉町を返せ!」のプラカードを手に「ふるさとを離れて5年たち、国・東京電力は、賠償や住宅支援を打ち切ろうとしています。完全な補償と原発再稼働を許さないたたかいを最後まで頑張りぬきます」と語ったことを伝えた。
 反原連のミサオ・レッドウルフさんが主催者あいさつで「大津地裁が高浜原発の運転を差し止めた。稼働中の原発を止めたのは初めて。私たちの大きな希望です」と強調し、「原発問題でも、安倍政権が大きな壁です。私たちはひるむことなく声をあげ、市民運動が圧力をかけつづけ、原発を止めていく」と語ったことも伝えている。
 同紙は、鎌田慧さん、澤地久枝さん、村上達也さん、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の高里鈴代さん、ベラルーシから来たチェルノブイリ原発事故被害者のジャンナ・フィロメンコさん、総がかり行動実行委員会の福山真劫さん、小田川義和さん、シールズの芝田万奈さんらがスピーチしたことも伝えた。

東京で安保法反対集会、脱原発も 「戦争できる国はダメ」(共同通信26日)
http://this.kiji.is/86369791666847747
脱原発求め3万5000人=福島事故から5年、誓い新た─東京(時事通信26日)
http://jp.wsj.com/articles/JJ11515816030101294343520372058163241611637
「脱原発」求め都内で集会 四つの市民団体が呼びかけ(朝日新聞26日)
http://www.asahi.com/articles/ASJ3V5QVDJ3VUTIL00S.html
脱原発集会:東京・代々木公園に3万5000人(毎日新聞26日)
http://mainichi.jp/articles/20160327/k00/00m/040/020000c
再稼働止める 代々木で大規模集会(東京新聞27日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032702000124.html
原発ゼロ 安倍政権ノー/統一行動に3万5000人 東京・渋谷/市民の力発揮 福島に連帯(しんぶん赤旗27日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-27/2016032701_01_1.html


▽アラスカ州とワシントン州で、バーニー・サンダース上院議員が勝利

 報道によると、26日の米大統領選に向けた民主党候補指名争い。アラスカ州とワシントン州の党員集会で、バーニー・サンダース上院議員が勝利した。AFP通信は、<ヒラリー・クリントン前国務長官を追うサンダース氏が、選挙戦に弾みをつけた形となった>と報じた。
 両候補への支持は、アラスカ州でサンダース氏79・2%、クリントン氏20・8%。ワシントン州でサンダース氏74・6%、クリントン氏25・1%とみられる状況を米テレビ各局の報道として同通信は伝えた。
 代議員の数はアラスカ州16人、ワシントン州101人。また同日は、代議員25人のハワイ州でも民主党の党員集会が行われ、その結果は現地時間同日夜に判明する見込みという。

 なお、共和党のほうの候補について、ロイターのコラム<浮上する円高リスク、英国とトランプ氏=鈴木健吾氏(みずほ証券 チーフFXストラテジスト)>が14日付で、よく整理しているので一部を紹介しておく。
1)メディアや有識者のトランプ氏に対する評価は非常に低い。しかし、実際の投票では強さを発揮する。なぜだろうか。
2)背景には「格差に対する絶望感」がある。米国は上位10%の高額所得者の所得が全体の所得の約50%近くを占める。中間所得層は減少し続け、昨年ついに過半数を割り込んだ。少数のお金持ちが増える一方で中間層が減り貧困層が増加する「2極化」の構図となっている。
3)これまで民主党政権も共和党政権もこの傾向を変えられず、メディアもそれを正さなかった。これが政治やメディアに対する強い不信につながっている。このような不満や怒りを代表してくれる存在としてトランプ氏に人気が集まっているようだ。
4)こうなると、公職に就いたことがないという事実は欠点ではなく利点だ。マスコミが投げかける嫌な質問に対して、プロの政治家は印象良くかわすが、トランプ氏は本音を言い放つ。そして、それによってメディアや政治家などからさらに批判を浴びる構図が中間所得層以下の民衆に受けている。
5)本来、この中間所得層以下の民衆とトランプ氏のような億万長者は相反する構図だが、億万長者だからこそ、彼らの支持を受けている面もある。選挙運動の大半を自分の資産からねん出しているのだ。

米大統領選、サンダース氏2州で勝利 民主党の党員集会(AFP27日)
http://www.afpbb.com/articles/-/3081820?cx_part=txt_topstory
コラム:浮上する円高リスク、英国とトランプ氏=鈴木健吾氏(ロイター14日)
http://goo.gl/S4TyqF


▽サウスカロライナ州知事、日本から輸送のプルトニウム受け入れを拒否

 CNNによると、米サウスカロライナ州のニッキ・ヘイリー知事は26日までに、米エネルギー省に書簡を送り、日本からの輸送が決まったプルトニウムを同州の核関連物質の保管、処理施設に運び入れる計画の中止や州外での処理などを要求したという。
 サウスカロライナ州とエネルギー省は、州内に既にある別のプルトニウムの州外への移送についても法廷闘争を今なお続けていて、同州は、<エネルギー省は州内から運び出す方針を示したにもかかわらず実行していないとして提訴>しているといい、今回の運び入れ計画の中止や州外での処理などの要求は、そうした背景からきているものと思われる。

 CNNは同州知事室から23日付の書簡コピーを入手。それによると、ヘイリー知事は、エネルギー省のアーネスト・モニズ長官に対して、<州内への輸送は同州を核物質の恒久的な廃棄場所にしかねないリスクがある>と指摘していて、住民と環境の安全を期すため、今回の輸送拒否は避けられないとの考えを示しているという。書簡によると、運ばれる予定のプルトニウムは兵器化が可能で、その量は約331キロという。
 今回のプルトニウム輸送計画そのものは、そもそも2014年の核保安サミットで核の国際的な安全管理対策の向上や核物質などの備蓄量削減を狙う措置の一環として、日米両国が合意したものだった。米ホワイトハウスは当時、<日本から輸送されたプルトニウムは米国で兵器化出来ないように処理される>との声明を出していた。つまり、ヘイリー知事の今回の要請は、この日米合意に異議をはさむ形となっている。
 一方、エネルギー省のほうは、知事の発言を受けて、原子力安全担当部局の報道担当者が<治安対策上、核物質輸送作業の詳細には言及出来ない>と話した上で、<核物質をテロリストの手から遠ざける重要性は現在、かつてなく明白になっている>ことを強調、<同省は米国の安全を守るための責務の遂行は今後も続ける>としている。米ワシントンでは今月下旬、核保安サミットが開催されることになっている。

日本から輸送のプルトニウム受け入れを拒否、米の州知事(CNN26日)
http://www.cnn.co.jp/m/usa/35080187.html?ref=rss


▽おおさか維新 党大会で、参院選で掲げる「憲法改正原案」を決める

 安倍晋三首相が改憲勢力として連携を期待している<おおさか維新の会>は26日、党大会を開き、夏の参院選で掲げる憲法改正原案を決定した。
 時事通信によると、最重要テーマと位置付ける地方分権に関し、道州制の導入を明記。ほかに、幼稚園から大学院までの教育無償化と、法令の憲法適合性を審査する憲法裁判所の設置を打ち出したという。自分のところの存在意義ともかかわる部分と、一見では否定されにくいもっともらしい部分とを入れただけで、そもそも憲法を改定する必要性には直結しない(法律で対応すべき内容と思われる)ところが、なんともおそまつな感じだ。いかにもこの党らしい。憲法裁判所の設置については、どんな考えで案として決めたのか不明。
 9条改定については「国民的議論がさらに必要」(松井一郎代表)として盛り込まなかった。具体的な改憲案を示して政権に足並みをそろえつつ、埋没を避けるため独自性を意識した内容とした、という。

 「改憲」で同党に期待を表明している安倍首相だが、「できるところから」などとしてその具体的な方向性や理由は示していない。おおさか維新が、9条改定には踏み込まず、それでも具体的な改憲案を示して政権に足並みをそろえようというのは、いわば「改憲の実績」を積み上げることで「9条」に迫ろうという首相の安倍氏の思惑と同調して、その露払い役を買って出ることで存在意義と忠誠を示そうとしたものと思われる。

道州制導入、教育無償化も=党大会で改憲案決定─おおさか維新(時事通信26日)
http://jp.wsj.com/articles/JJ11562096053276244670717215013000402149747


▽「同時選勝利を目論む安倍首相 自らが障害」
──The Economist


 日本経済新聞が25日付で、「The Economist」の記事の翻訳を掲載している。タイトルは「同時選勝利を目論む安倍首相 自らが障害」。タイトルもそうだが、いまの安倍政権のいる状況を、よく整理された記事なのでざっと概略を紹介しておく。ぜひ全文に目を通されたい。

 安倍氏は2012年に首相に就任してから2年後、2014年11月18日、消費増税を先送りし解散総選挙を決めた。議席数を増やすチャンスをとらえていた。再び同じことをやろうとするのか。
1)日本経済が一向に回復の兆しを見せない中、安倍首相がまたしても消費増税を先送りする可能性がある。
2)決断のタイミングは、日本が議長国を務める5月のG7(先進国首脳会議)を終えてからになるだろう。
3)自民党の中には安倍首相の運が尽き果てないうちに、急いで済ませてしまいたいと考え、より早い時期の総選挙を望む者もいる。

 なるほど「安倍首相の運が尽き果てないうちに、早期に」――。たしかに、安倍政権には、もはや時間はそう残されているとはいえないだろう。アベノミクスの破綻も、これ以上口先だけで国民をだまし続けることは困難になっている。「約束」は口先と小手先だけで破綻を覆い隠しながら、一方では民意無視、時代錯誤の暴走を続けているのだ。

4)現在、安倍政権の前には様々な困難が立ちはだかっている。最大の懸念は経済だ。個人消費の冷え込みを受け、2015年10〜12月期の日本経済は年率換算で1.1%縮小した。日本銀行(日銀)は1月、マイナス金利政策を打ち出して需要の喚起を図ったが、その狙いとは裏腹に株価は下落し、円高が進んだ。遅かれ早かれ日本の有権者は、停滞する経済への不満を安倍首相にぶつけることになる。同首相は経済立て直しを約束していたのだから。

 問題は、この政権の「金看板」だったはずのアベノミクスの体たらくとごまかしだけではない。

5)国民の支持を得られていない政策は他にもある。安倍首相はそれらに対する制裁をまだ受けていない。原子力発電所の再稼働はその一つだ。昨年成立した新たな安全保障関連法について、多くの専門家がこれを違憲だとしている。この法律は海外でこれまでより幅のある行動を日本に許すもので、多くの日本人が不快に感じている。
6)複数の与党議員が不祥事を起こした。1月には安倍首相の側近だった甘利明経済再生担当相が政治献金疑惑をめぐって辞任した。また、男性国会議員として初めて育児休暇をとると宣言して話題を集めていた議員が、妻の妊娠中に他の女性と不倫関係にあったことが発覚。それ以来、安倍政権の支持率は50%を下回っている。

 首相の安倍氏は約束した。「賃金・消費・投資の増加による好循環」を実現して、経済立て直しを果たす、と。そして、夏の選挙は日々近づいている。有権者はそういう安倍政権に対して、どのような裁定を下すのか。

7)消費税に関しては、2014年に行われた最初の増税(5%から8%)が個人消費に打撃を与えた。安倍首相の経済アドバイザーを務める本田悦朗氏は、安倍首相が経済を回復させるべく広く取り組んでいる政策について国民の信頼を失いたくないなら、今度の引き上げを延期することが不可欠だと話す。
 3年間にわたって大がかりな金融緩和を行ったが、今もコアインフレ率はゼロに近く、日銀が目標に掲げる2%には程遠い。労働組合の幹部たちでさえ、大幅な賃上げを要求してはいない。銀行が貸し出しによって得られる利ざやは相変わらず圧迫されている。こうした状況はすべて、安倍首相が約束する「賃金・消費・投資の増加による好循環」を脅かすものだ。この状況下で夏の選挙に臨んだ場合、有権者が安倍政権に投票するかどうかは疑問だ。

 安倍政権のごまかしも、これ以上は続かないところにきている。もはや国民も、そこまでのお人よしではいられなくなっている。

8)衆参ダブル選挙を実施することの是非について、安倍首相は自らの夢の実現につながる大勝利が可能かどうかを検討することになる。安倍首相の夢、それは憲法改正だ。
 日本で憲法を改正するためには、衆参両院のそれぞれで議員の3分の2以上が賛成し、国民投票で半数以上の賛成票を得る必要がある。自民党とその連立相手である公明党は、衆議院では議席の3分の2以上を確保している(475議席中325議席)が、参議院においてはかろうじて過半を超える程度である(242議席中136議席)。
9)安倍首相が参議院で議席数を増やすことは可能かもしれないし、右派の小政党、おおさか維新の会の協力も期待できる。それでも憲法を改正しようとすれば、日本の平和主義を誇りに思う国民の多くが大きな警戒心を抱くだろう。

10)つまり、選挙での勝利を願う安倍首相にとって、憲法改正の取り組みについて喜々として話すその性向が最大のリスクとなる。

(つづく)


同時選勝利を目論む安倍首相 自らが障害(日本経済新聞25日)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98796200U6A320C1000000/

(こわし・じゅんぞう/日本ジャーナリスト会議会員)


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