2016年03月30日

厳しさ増す出版流通/取次会社の太洋社倒産/売上高落ち 取引書店廃業 新「大阪屋栗田」の役割は=清田義昭

 取次会社太洋社が3月15日に東京地方裁判所に破産申請をし破産開始が決定した。負債総額43億円とみられる。太洋社の経営が厳しいと言われてから数年になる。しかし経営の立て直しが進んでいたと思っていたが、2月5日に突然、自主廃業の文書がファックスで取引関係者に送付された。
 その内容は「書籍雑誌の供給継続のお願い」で、「今後の弊社事業の行く末を見据えると、いずれ自主廃業を想定せざるを得ないことから、万一にも取引書店に対する書籍雑誌の供給に不測の事態が生じないようにするため、取引書店が、これまでの取引を他の出版販売会社に帳合変更していただくことが最善である」と考えたうえでの措置として、出版社に商品の供給を要請していた。

 また、売上高が平成17年には約487億円をピークに同27年6月には約171億円までに激減した。その要因として一部取引書店に対する売掛金の焦付き、インターネットやスマホの普及による売り上げ不振及び帳合確保のための条件提示を主要因だと分析していた。
 この文書をふまえて2月8日、書店・出版社向けの説明会を行った。同社の國弘社長は、支払いは2月末までのメドはついている、資産は約92億円、負債84億円で取引書店の帳合変更、売掛金の回収、資産売却ができれば自主廃業は可能であるとしていた。同社の取引書店は300法人800店舗。出版社売掛金は約47億円と発言していた。

 その後、太洋社の自主廃業の方針の表明で、取引書店の廃業がでてきた。つくば市の友朋堂書店、鹿児島のひょうたん、豊橋のブックランドあいむ、熊本のブックス書泉店など。そうしたなかで、取引書店450書店には書籍雑誌を流さず取り立てに徹するなどとした文書を出した。書店にすれば、展望が持てない状況になっていた。
 その決定的なのが太洋社の最大の取引先の芳林堂書店が2月26日破産申請を申し立てた。負債は20億円。それによって、8億円が焦げ付いた。芳林堂書店は高田馬場本店他8店舗あるが、店舗事業はアニメイトグループの書泉に引き継がれた。

 ともあれ、芳林堂書店の自己破産が太洋社の破産申請の契機になったことはたしかだ。筆者も出席していたが多くの関係者は2月8日の説明会のときに感じていた不安が現実になったと思ったのではないだろうか。
 昨年取次の栗田出版販売が民事再生申請し、大阪屋と経営統合して4月1日、新会社「株式会社大阪屋栗田」としてスタートする。トーハン・日販体制のなかでどのような役割を果たしていくのか気になる。
(出版ニュース社)


*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年3月25日号


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posted by JCJ at 08:00 | TrackBack(0) | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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