2016年04月10日

【今週の風考計】4.10─『平和万葉集』と『17音の青春』

「新日本歌人」の編集長・小石雅夫さんと、お話をした。『平和万葉集』巻四の校了に向けた最終作業で大わらわ。平和への熱いメッセージを三十一文字に託す作品を公募したところ、全国から1200人もの応募があったという。5月3日の憲法記念日に刊行する。「九条歌人の会」呼びかけ人でもある彼は、<時代閉塞のなお現状なれど啄木の時代(よ)に持たざりし憲法のあり>と詠う。私どもの機関紙「ジャーナリスト」の8面に、「短歌・現代の窓」を、17年間休まず執筆していただいた。感謝に堪えない。10日付の「朝日歌壇・俳壇」欄のコラムに、<うたをよむ 高校生と戦争>と題して、復本一郎さんが俳句作品集『17音の青春』にまつわるエッセイを寄せている。彼は、「全国高校生俳句大賞」を創設し、それに応募する高校生が詠む十七文字の選考に、18年にわたり携わってきた。その中で「常に注目してきたのが高校生の戦争への意識」だと綴る。<被爆者として黙禱す原爆忌 高橋洋平>の句をあげ、福島県飯館村の高校2年生である作者が、「3・11フクシマ」の被曝体験を通して、ヒロシマ・ナガサキへの回路をつなぐナイーブさ、時代を凝視する鋭さを指摘する。こうべを垂れて汲みあげたい。(2016/4/10)
posted by JCJ at 10:43 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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