2016年05月01日

パナマ文書はアメリカの陰謀か=伊藤力司

 タックスヘイブン(租税回避地)で知られたパナマのある法律事務所の、膨大な秘密文書がメディアに漏らされた結果の「パナマ文書」で世界中が大騒ぎしている。プーチン露大統領側近、習近平中国主席の義兄、キャメロン英首相の亡父やら、日本の富豪や大企業の名前がぞろぞろ出てきた。1%の富豪が節税し99%の庶民が税を負担する構図を示すものだ。
 文書にするとトラック1千台もの40年間にわたる秘密データが、何者かによって「南ドイツ新聞」に伝えられ、これを米国のNGO「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」が1年以上かけて調べ上げ、世界の100以上の報道機関に公開したのが「パナマ文書」だ。

 米国事情に詳しいアナリストの高島康司氏が、「パナマ文書」はアメリカの陰謀ではないかとするユニークな分析をメルマガで発表しているので、これを要約して紹介しよう。
 「パナマ文書」には、節税あるいは資金洗浄目当ての世界中の政治家や大金持ちの名前が多数出てくるのだが、なぜか米国政治家の名前は全く出てこない。そのわけはICIJのスポンサーであるアメリカのNGOにあるのではないかと、高島氏は推論する。
 ICIJのスポンサーは「フォード基金」「USAID(米国際開発庁)」著名投資家ジョージ・ソロスの「オープンソサイエティー」などだ。これら米政府の息がかかったNGOはいずれも、セルビア、ジョージア(グルジア)、ウクライナなど旧ソ連共和国の親ロシア派政権を倒した「カラー革命」を主導した青年組織のスポンサーでもあった。
 今後さらに米国以外の政治家の名前が続々と出てくるだろうが、公表されて一番打撃が大きい国を見ると、ホワイトハウスの最終目的が何であるか見えてくるだろう。またもし、今後公表されるという米民間人の名前の中にドナルド・トランプの名前があったら、「パナマ文書」は米共和党主流派が一枚噛んだ陰謀と推論される。
 今後数週間か数年か「パナマ文書」が公表されるたびに、各国のメディアはあれこれの有名人の秘密を暴露し、読者大衆の喝采を浴びることになるだろうか。

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年4月25日号


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posted by JCJ at 09:27 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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