2016年05月07日

複数人区の「市民連合ふくおか」=白垣詔男

 「安保関連法(戦争法)の廃止と立憲主義の回復、これらに賛同する議員が衆参両院で過半数に達すること」を運動の目的にした「市民連合ふくおか」が3月28日、結成された。約150人収容の結成総会会場には立ち見の人が出る盛況だった。個人参加が原則で、別のグループで活動している人の顔が多く見られた。
 九州・沖縄では既に佐賀、長崎、宮崎の各県で「市民連合」が発足している。7月の参院選へ向け熊本、長崎、宮崎、沖縄の各1人区で野党共闘が実現、その他の県でも野党各党が協議中で、与党過半数割れ実現に力を入れる。

 参院福岡選挙区は、定数が今回から1増の3になり、公明党が24年ぶりに早々と候補予定者を決めた。現時点では自民党、民進党、共産党、社民党、諸派も候補予定者が名乗りを上げ、実質的な選挙戦を展開している。ほかに、おおさか維新も擁立姿勢をみせている。
 こうした情勢のなかで「市民連合ふくおか」が今後、具体的な運動をどう展開していくのか、非常に難しい。
 結成総会で、呼び掛け人代表の1人、出水薫九州大学教授(法学部政治学)は、自民、民進の1議席は固まっており、残り1議席を与党(公明)が勝つか野党に軍配が上がるかで参院福岡選挙区での「世論」が決まるといった現実的な情勢を基にした内容の分析を話した。
 呼び掛け人代表のなかには、「市民連合ふくおか」が、独自に候補者を擁立してもいいといった発言をする者もいた。しかし、既に各党が公認候補を決め、事実上の選挙戦を展開している段階で、「独自候補を」の掛け声だけでは力ある運動は進まないと私は思っている。

 こういう情勢を受けて「市民連合ふくおか」がどこまで「選挙運動」をするのか。
 私が2点質問した。1)(出水教授が分析した自民、民進の2議席が固まっているとするならば)共産、社民に対して、候補者一本化を働き掛けるのか、2)「市民連合ふくおか」として野党公認候補者を推薦するのか──。極めて現実的な質問だが、現与党が進めている政策に反対する議員を「衆参両院で過半数に」を運動目的の一つにする組織ならば、そこまで踏み込まなければ、もやもやしたものが残ってしまうと私は考えたからだ。
 しかし、この「難問」に、正鵠を射た答は返ってこなかった。「今後の運動については走りながら考える」という呼び掛け人代表の1人の説明を受け、参加者からの「再質問」は出なかった。
 既に立候補予定者は実質的な選挙運動を繰り広げている。そうした情勢で、複数人選挙区での「市民連合」がどう運動をするのか、呼び掛け人の1人に名を連ねた私としても知恵を絞らなければならない。

(JCJ代表委員)

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年4月25日号


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posted by JCJ at 07:26 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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