2016年07月31日

安倍暴言が邦人犠牲招く─ダッカテロ事件=伊藤力司

 バングラデシュの首都ダッカで7月1日夜、高級飲食店が武装したイスラム過激派に襲われ、日本人7人が犠牲になった事件は、戦乱やテロが日常的な中東でなくアジアで、しかも世界でも有数の親日国で起きたテロ事件だけに日本中に一大ショックが走った。
 この国の2007年世論調査で、「国民が世界で最も好きな国は」という設問に挙げられたトップは日本だった。今もアニメの「ドラえもん」は国民的な人気番組だし、輸入車もほとんどが日本車。中国などに比べて人件費が格安で、日本企業の進出も急速に増加中だ。

 現地捜査当局によると、犯人はジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)という過激派組織の5人だった。JMBは、イラクとシリアで2年前に“建国”したイスラム国(IS)と連携しており、ダッカ事件はISのネット・サイトで詳しく報じられた。
 すなわち同サイトは「バングラデシュのIS」名で「殉教者らが十字軍諸国の市民を攻撃し、十字軍22人を殺害した。十字軍がイスラム教徒を空爆で殺害し続ける限り、十字軍諸国の市民たちに安全な場所はない」との声明を発表したのである。
 十字軍とは11世紀から15世紀にかけて欧州カトリック諸国が、パレスチナを支配していたイスラム教徒をせん滅しようと、遠征軍を派遣した故事である。いうまでもなく日本人は十字軍とは全く無関係だ。なのになぜ日本人が殺されたのか。
 イスラム世界ではこれまで、日本は好ましい国とみられてきた。欧州諸国のように中東諸国を植民地にしていない。原爆を落されたのに平和国家としてよみがえった国だと、むしろ尊敬されていた。ISが日本を敵視するようなったのは昨年からだ。
 昨年1月、安倍首相は中東を歴訪「ISと戦う周辺各国に2億ドル程度の支援を約束」と演説した。その直後、ISは人質として捕らえていた後藤健二さんらの命と引き換えに2億ドルの身代金を要求、「日本の首相よ。お前は自ら進んで十字軍に参加した」と言及したのだ。ダッカで失われた7人の生命は、安倍首相の発言が招いたと言っても過言ではない。

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年7月25日号


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posted by JCJ at 03:00 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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