2016年08月30日

毛沢東の遺訓無視し、覇権に走る習近平主席=伊藤力司

 中華人民共和国建国の父毛沢東は「中国は決して覇権を求めない」と宣言した。だが習近平主席に率いられた現代中国は、南シナ海、東シナ海で覇権を追求しようとしている。
 中国は1992年(江沢民の時代)、東シナ海と南シナ海の大半を自国の領海だと一方的に宣言した。近年はさらに南シナ海に浮かぶ一部岩礁を埋め立てて拡張、飛行場や兵舎などを建設して南シナ海の軍事的利用を進め、関係国の非難・抗議を浴びている。
 さらに中国は東シナ海でも攻勢に出ている。2012年に時の野田内閣が尖閣諸島の国有化を実行したことを機に、中国は同諸島の領有権主張を強めた。最近では同諸島付近の日本領海や接続水域に中国の公船が公然と出入りして緊張を強めている。

 2012年の中国共産党第18回党大会でトップの座に就いた習近平主席は「トラもハエもたたく」と、党の高級幹部を含めた汚職摘発を断行して大衆的人気を博する一方、前任者の江沢民、胡錦濤両氏につながる派閥を粛清して独走態勢を固めようとしている。
 毛沢東や「中興の祖」?小平と並ぶ「核心」に上り詰めようとする習主席は、アヘン戦争以来中国が舐め続けてきた屈辱を晴らし、「中華民族復興の夢」を掲げて13億の民を結集して覇権国家へ道を進もうとしているようだ。
 1840年のアヘン戦争で当時の清国が英国に敗れて以来、西欧列強に国土を侵蝕された上、明治維新を経て帝国主義化した日本に侵略を許した20世紀前半の歴史を逆転しようとする発想だ。?小平の号令で1980年に始まった「改革開放」の市場経済が開花した30年余り、中国は今や日本を追い越して米国に次ぐ世界第2の経済大国となった。
 東シナ海と南シナ海は古来2千年にわたって「中国の海」だったとする主張は、海の憲法である国連海洋法条約では認められていない。フィリピンの提訴を受けて審理してきた国際仲裁裁判所は7月12日、中国の領海主張は「法的根拠がない」との判断を下した。
 中国はこの判断を拒否して反発、南シナ海と東シナ海での挑発行動を進めている。

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年8月25日号

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