2016年10月03日

一線こえた共産・民進「確認書」/参院選香川選挙区=はねだ鉱造

 夏の参院選挙で全国ただ一つ共産党候補を市民と野党が共闘で立てて戦った香川選挙区。香川支部はこの選挙には一有権者としてかかわった。  JCJ会員として地元メディアの四国新聞の選挙報道には注目したが、共闘を見る視点が「政党の思惑」だから、選挙中も「共闘憎し」に同調するような報道ぶりが目立った。

 今回の選挙では、社民党が共産党・田辺健一候補の支持を決めたのが5月26日、共産党松原昭夫県委員長と民進党小川淳也県代表の間で確認書が結ばれたのが6月4日だ。これには「安倍政権の打倒を目指す」大義をうたい、資本主義の枠内での民主的改革や安保廃棄、自衛隊解消などは共闘に持ち込まないなど5項目が書き込まれた。
 7月10日投票日に向かって確認書が大働きする。「選挙期間中に、田辺事務所に証紙張り、電話かけで来ていただいた多数の民進党支持者の方が、手にこの合意文書をもっておられたこと、合意内容について語っておられたことには感動しました」(松原香川県委員長、「前衛」9月号)。まるで事務所に入る通行手形のように活用していた。
 有権者も「おれは反アベだから田辺だよ」という声が大きくなった。田辺候補は得票を3倍にして10万4239、企業や業界などを固めた自民党候補25万9854が結果だ。
 自治労など社民党に近い労働組合とも政策協定を結び、信頼関係が広がった。「一線を画す」などの表現が双方から消えて、共産党の方も結構変化したようだ。  アベ政権を倒す、憲法を取り戻す大義をかかげ「一線を消す」ことの醍醐味を味わった市民はメディアが大好きな表現「一線を画す」に異議を唱える場が欲しい。  お酒をのませ、寿司を食わせてマスコミ幹部を操ろうとする政権に対して、お茶しながら読者の声を届けることができないものか。
(香川支部)


*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」(2016年9月25日号)


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posted by JCJ at 23:00 | TrackBack(0) | 中国・四国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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