2016年12月25日

【今週の風考計】12.25─妻籠宿と昼神温泉で遭った師走の出来事

◆思い立って木曽路を旅した。恵那山の麓にある馬籠宿は、冬の陽光に輝いていた。島崎藤村の生れ育った地である。勾配がきつい石畳の街道は、敵の侵入を防ぐ車屋坂と呼ぶ「桝形」のせいで、直角に二回も折れ曲がる。◆続く妻籠宿には、道に面して細かい格子が組まれた家々が並ぶ。寒風に、思わず<ねんねこ>がわりの、南木曽「ねこ」を買い、背中を暖める。◆街道を進むと、ワラで包んだ柿が軒下にぶら下がっている。店に入り、外の<ワラ柿>を尋ねると、地元では「つっとこ」といい、渋柿の果肉をトロトロに甘くするとのこと。表に出ると左隅に「あぶらや」という看板。格子には「赤旗」と書かれた無人ボックスが設置され、新聞が3部ほど収まっている。1部100円とある。もう一度戻って、木曽欅の汁椀を購入した。◆その夜は昼神温泉で疲れを癒す。翌日、朝市に並ぶ店を見てまわる。おばさんたちの呼び声につられ、獅子舞のミニチュア「昼神小獅子」、お漬物「すんき」を買う。阿智川沿いに宿へ戻る途中、「石苔亭いしだ」とある旅館の門前に、ワラで作った大きなイノシシの頭みたいな飾りがある。掃除をする番頭に聞くと、「湯屋守さま」といい、災いが入り込まないよう威嚇しているのだそうだ。◆昼前、高森町の松源寺へ。NHK大河ドラマ<おんな城主 直虎>の、いいなずけ亀之丞が育った寺である。寺の前方に松岡城址があり、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳が一望できる。市田柿も手に入れ、師走の2日間を堪能した。よいお年をお迎えください。(2016/12/25)
posted by JCJ at 10:10 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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