2016年12月25日

【録画】JCJ12月集会・浜矩子氏講演/トランプ発言「妙なる調べ」 安倍政権、軍事強化へ追い風=須貝道雄


12月4日、JCJ12月集会「TTP・アベノミクスー浜矩子さんが斬る」(東京・エヂュカス東京)。
収録:Fma(自由メディア)


 「トランプ新政権発足で最も喜んでいるのは安倍晋三首相だろう」
 同志社大学大学院教授の浜矩子さんは12月4日、JCJ12月集会で講演し、憲法改正を狙う安倍政権にとって、トランプ氏の出現は逆風ではなく、追い風になるとの見方を示した。

■国防軍に口実

 トランプ氏は大統領選の遊説中から、駐留に必要な金を払わなければ日韓から米軍を引き上げると繰り返してきた。この言い方は安倍氏側には「妙(たえ)なる調べ」と浜さんは表現した。
 米軍引き上げの発言によって「日本は独自の防衛力を強化しないと仕方がない。国防軍も必要。憲法改正を急ぐべきだ」と主張する絶好の口実を、トランプ氏は安倍政権にプレゼントすることになる。さらに「核の傘」が消える恐れを理由に、日本の核政策見直しに正当性があるよう見せかけることが安倍政権には可能になる、と指摘した。
 大統領に就任した直後にTPP(環太平洋経済連携協定)から米国は抜けるとトランプ氏は発言している。この問題でも「突出した経済力を持つ日本は環太平洋の枠組みの中で大きな顔ができることになり、安倍氏にはうれしいことだろう」と語った。
 安倍氏はかねてTPPについて「戦略的な価値」を公言してきた。これは戦後世界の通商ルールに反する「禁止の言葉」と浜さんは強く批判した。
 1930年代、日米欧列強は相手国や地域を限定した経済圏づくりに走り、第二次世界大戦を招いた。その反省から、戦後の世界では経済に「戦略性」を持ち込むことは禁止行為とされ、WTO(世界貿易機関)は全ての国が参加する通商秩序をうたった。

■新共栄圏へ道

 TPPは地域限定の排他的な協定で、全てに開かれた貿易秩序に違反する。そこに戦略的な価値を見出す安倍政権は「21世紀版・大東亜共栄圏への足掛かり」としているのではないかと分析。政権の狙うTPPはTYP、すなわち「とっても、やばいパートナーシップ」と語り、会場を沸かせた。
 ヒト・モノ・カネが国境を越えて行き来するグローバル化を、単純に悪と決めつける議論の危うさにも触れた。反グローバル化の運動は右翼、排外主義者たちが旗手となっている。「グローバル化を下手に目の敵にすると、彼らにご褒美を与えてしまう」と警告。トランプ氏は閉鎖・排外・孤立型の反グローバル、安倍氏は拡張主義的な反グローバルと位置付けた。
 アベノミクスの崩壊が進んでいる実情も披露した。第一は「アベノミクスは失敗したわけではない」と安倍氏が必死に説明している点。失敗を気にしている証左だ。次に急に「分配」を言い始めたこと。当初は分配を軽蔑し、否定的だったが、言わざるを得ない経済になった。第3は日銀の金融政策の迷走と断じた。

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年12月25日号


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posted by JCJ at 07:00 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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