2016年12月31日

2記者拘束 報道の自由侵害 「沖縄取材妨害事件調査団」報告/警察・海保の介入、頻繁に 2紙が抗議声明 全国の仲間と連帯=JCJ沖縄調査団

 日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、8月20日に沖縄・高江の米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設工事で住民らの抗議行動を取材中に起きた地元紙記者への取材妨害についての調査団を11月27〜30日、現地に派遣した。調査を通じて、国民の知る権利を侵害する記者拘束の不当な実態が明らかになっただけでなく、機動隊や海上保安庁による取材妨害が頻繁に行われていることが分かった。
 調査結果を総合すると、記者拘束が起きたのは午前10時半ごろ。取材中の記者2人が機動隊によって強制排除され、バスとバスの間に一時拘束された。
 琉球新報の阪口彩子記者は、背後から機動隊員に羽交い締めにされ、強制的に約40メートル移動させられた。近くにいた小口幸人弁護士が「(琉球)新報の記者だぞ」と大声を上げたことで、阪口記者は解放。さらに約15分後、別の機動隊員に強制移動され、バス2台と機動隊で作られた囲いの中に約15分間拘束された。阪口記者は腕章をカメラに付けていたが、2度目の強制排除時には腕章を掲げ、「『記者だ』と何度も叫んでいた」と複数の証言がある。

 知念豊記者も背後から羽交い締めにされて強制移動され、「囲い」の中に13分間拘束された。知念記者は腕章を自宅に忘れたため、警官に社員証を見せて解放を求め一時解放されたが、再び拘束され、計約30分間取材活動を制限された。

◆意図的な誤認だ

 沖縄の県警と県公安委員会は11月25日、JCJの取材に対し「抗議参加者と見分けがつかなかった」と回答している。
 しかしこれは事実と違うことが今回の調査で明らかだ。2人とも、最初に強制移動された時には記者だと分からなかった可能性もあるが、その後は腕章や記者証を示し、記者であることを訴えている。
 小口弁護士は「(県警や公安員会の判断は)事実とは違う」と断言。「阪口記者が2回目に拘束された時、警察の部隊長は分かっていた。腕章を見なかったというのは意図的な誤認だ」と批判している。
 なお、琉球新報は「記者の拘束は民主主義と人権を危機に陥れる。許しがたい行為だ」、沖縄タイムスは「警察権力による妨害は、憲法で保障された報道の自由を侵害するもので、断じて許せない」と抗議声明をそれぞれ発表している。

◆全国に波及の恐れ

 沖縄での取材妨害はこれだけに留まらない。今回の調査で▽海上取材中に船のカギを奪われて強制的に港に連れ戻され、1時間放置された▽写真を撮ろうとしたら、目の前に立って視界をふさがれるのは日常的──などが明らかになった。
 さらに沖縄では、ヘリパッド建設反対派のリーダーが微罪で逮捕され、長期間拘留されるなど、「反対運動つぶし」も行われている。  また政府が今回の事態を「問題ない」とする答弁書を閣議決定(10月11日)したことは容認できない。今後「現場の混乱や交通の危険防止などのために必要な警備活動」(答弁書)という口実で、警察による取材妨害が全国に波及する恐れがある。
 ジャーナリストの責務は権力を監視し、市民の活動を取材して国民の知る権利を守ることだ。
 JCJは沖縄をはじめ全国のジャーナリストや市民と連帯し、民主主義の根幹ともいえる報道の自由を脅かす行為に対し、ペンとカメラ、マイクで断固として闘う決意である。

posted by JCJ at 12:00 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック