スティーブン・バノン氏(63)は、オルタナ・ライト(新極右)のニュース・サイト「プライトバート」の会長から昨年8月、トランプ大統領選挙対策本部長に就任した。白人至上主義などの右翼路線でトランプ氏と意気投合し、既成政治勢力打倒を叫んで勝利を導いた。
その功績で、トランプ政権では大統領首席戦略官兼上級顧問という新設ポストに就き、さらに国家安全保障会議(NSC)のメンバーにも就任した。副大統領、国務長官、国防長官など位の高い官僚より値打ちのある「影の実力者」としてのポストである。
トランプ政権が「テロ予防策」の名目で、いきなり中東・アフリカ7カ国市民の入国をストップするという暴挙に出たのは、イスラム嫌いのバノン氏の進言によるものとされる。だが何と、この7カ国出身者によるテロ事件は2001年以来米国で記録されたことはない。
トランプ大統領の「腹心」とされるマイケル・フリン国家安全保障担当大統領補佐官が2月13日、いきなり辞任した。昨年12月(つまりトランプ政権発足前)に駐米ロシア大使に電話して、ロシアに対する西側の制裁問題について話し合ったことが問題とされた。
12月段階ではフリン氏は一介の市民であり、外交交渉をする権利がないことがとがめられた。この電話をFBIが盗聴していたことがワシントンポスト紙にすっぱ抜かれた。大統領はフリン氏を守りたかったが、バノン氏の「一声」で断念したといわれている。ではバノン氏はトランプ氏をかついで、どんなUSAを生み出したいのか。彼はネットで「私はレーニン主義者だ。レーニンは国家の破壊を目指し、それは私の目的だ」と発言した。ワシントンの既成権力の破壊を狙っている。その後、何を生み出すのだろうか。
*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年2月25日号
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