(月刊機関紙「ジャーナリスト」編集部)
通販番組と同じ
そもそもこの番組は、ニュースと名が付いても「報道」とは無縁の政治的な宣伝番組と捉えるべきだろう。制作したのはスポンサーであるDHCの子会社「DHCシアター」で、MXテレビは時間枠をスポンサーに売る形で放送されている。
分かりやすい例は、テレビショッピングなどの名で増えている通販番組である。通販会社が番組をつくって、放送時間に視聴者が購入したくなる商品情報を発信するのだ。テレビ局は放送枠を販売すればよく、内容に関わるのは、公序良俗に反する点があればNGを出すチェック機能のみ、いわば番組全体がCM(コマーシャル)とも言える。
そんな放送の仕方で良い番組ができるのかと疑問も出そうだが、一方で地域密着番組などでは威力を発揮することもある。少年野球など地域イベントの放送はスポンサーも付かないため番組になりにくいが、その地域の人たちが協賛企業集めをするなどして努力して放送を提案すれば、地域情報を充実させる地域活性化番組も実現できるのだ。
MXテレビがローカル放送として力を入れてきた手法だが、今回は放送倫理上許されない内容にNGが出ることなく放送されたのだ。実態は、スポンサーの意向を受け政治的な意図を持ってつくったネット番組を、そのまま地上波で流したと言っても過言ではない。
放送責任触れず
新聞の意見広告をイメージすると、問題の本質を理解しやすいかもしれない。広告スペースに費用を払って自分たちの主張を掲載するが、広告だからと言って、ウソをのせて、読者を騙すような内容は許されない。また、詐欺商法の広告も同様に、メディア側の掲載責任は問われるのだ。
「ニュース女子」批判に、MXは「議論の一環として放送した」とし、DHCシアターは「言論活動を一方的に『デマ』『ヘイト』と断定することは言論弾圧」と主張、さも報道番組であるかのような論理を持ち出す。しかし、ウソを放送した責任を全く言わずに、そんな論理は通用しない。 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は10日、「明らかに事実の間違いが報じられており、十分な番組考査をしたのか」を検証する審議を開始した。問題はチェックの検証だけではなく、スポンサーによるテレビ番組支配の構造にあり、それが広く浸透してきている現実を認識しなければならない。
*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年2月25日号
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