2017年04月07日

底知れぬ「森友」疑惑 幕引き許さない/問われる首相夫妻の責任

 大阪市の学校法人「森友学園」をめぐる疑惑が国政をゆるがす大問題になっている。>
 「森友学園」は、大阪府豊中市の国有地を2016年6月に購入した。目的は、安倍首相夫人の昭恵氏が名誉校長を務めていた私立小学校「瑞穂の國記念小学院」を設立するためだった。

◇気前よく値引き

 驚くべきは、その購入価格だ。売買契約を担当する財務省近畿財務局と土地を保有する国土交通省大阪航空局は、土地の価格を9億5600万円と鑑定していた。ところが土地に埋設された「ゴミの撤去費用」などとして8億1900万円を気前よく値引きし、1億3400万円という破格の安値となったのだ。

 その背後にちらついているのが政治家の影だ。具体的な関与を初めて明らかにしたのは、日本共産党の小池晃書記局長が、独自入手した自民党の鴻池祥肇参院議員事務所の資料にもとづいた追及だった。
 小池氏の参院予算委員会での質問(3月1、2日)によると、籠池氏は「上からの政治力」などを鴻池議員側に求めている。しかし、鴻池事務所の資料では、財務省本省と交渉をしたいと紹介を求めた依頼については、断ったことになっている。
 その後に大幅な値引きが実現しているのだから、別の政治家が介在した疑いが当然生じてくる。野党側は、政治家の関与などの疑惑解明を求めているが、安倍首相は背を向けたままだ。

◇「教育勅語」が要

 そもそも昭恵夫人が名誉校長を引き受けるほど、安倍首相夫妻は、同学園の特異な教育方針を持ち上げていた。
 特異さを象徴するのは現行憲法と相いれない「教育勅語」を「教育の要」としていることだ。同学園の塚本幼稚園では園児に「教育勅語」を暗唱させていた。籠池氏は、新設する小学校でも暗唱させると明言していた。
 大阪府で右翼団体「日本会議」の運営委員をしていた籠池氏は、安倍首相と同様にタカ派の稲田朋美防衛相や平沼赳夫経産相らとも面識がある。
 稲田氏は「弁護士時代に森友学園の顧問だったことはないし、法律的な相談を受けたこともない」(3月6日、参院予算委)などと答弁していた。しかし同学園が原告の訴訟で、代理人として出廷していたことが裁判資料で明らかになった。閣僚が国会の場で虚偽の答弁をした責任は、謝罪で済まされるものではない。

◇大阪府が「便宜」

 大阪府が、規制緩和で森友学園が認可申請をできるようにするなど、さまざまな「便宜」を図ったのではという疑惑の解明もこれからだ。
 なにより問われるべきは、同学園とその教育方針を持ち上げた首相夫妻の道義的責任だ。
 首相夫人が名誉校長を務めるということ自体が、「首相案件」として大きな影響力を発揮したことは想像に難くない。

 複数のマスメディアの世論調査では、この疑惑をめぐる政府の説明について納得していない人が7、8割と圧倒的だ。
 籠池氏は小学校新設の認可申請の取り下げと理事長退任を表明した。しかし、それでもって「幕引き」とすることは絶対に許されない。
(「ジャーナリスト」編集部)


*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年3月25日号

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posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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