2017年06月04日

【今週の風考計】6.4─地球の未来をつぶすトランプの短視眼

オバマ前大統領時の米国を含む世界146カ国の反対を押し切って、トランプ大統領は「ピッツバーグの市民を代表するため」と叫び、「パリ協定」からの離脱を表明した。愚の骨頂としか言いようがない。米国内でも、市長・州知事33人、大学学長80人、企業100社が「パリ協定」実施を目指すグループを結成した。地球温暖化が今のまま進めば、33年後の2050年には海水面が20cmも上昇する。南太平洋に浮かぶキリバス、バヌアツ、ツバルなどの島は国土の大部分が水没し、国が消滅してしまう危機に陥る。さらにエルニーニョによる海水温の上昇は、サンゴの白化を招き、サンゴ礁がはぐくむ海洋生物の連鎖にも甚大な影響が出てくる。海岸へ砂礫を供給する能力も急激に劣化する。ガラパゴス諸島ではゾウガメの雌雄分布・生息にも赤信号がともる。北極や南極でも海氷の減少が深刻だ。氷は太陽の光を跳ね返すが、海水は太陽の熱を吸収してしまう。地球全体の温暖化と比べ、2倍のスピードで温暖化が進む。ホッキョクグマの生息数は、33年後には8千頭、3分の1に減ってしまう。日本でもアサリの採集量(全国)が、この5年間で3万トンから9千トンに激減。浜名湖の潮干狩りは2年続けて中止。これも海水温の上昇でアオサが急繁殖したためといわれる。今週、トランプ大統領のおひざ元・ニューヨークで、国連海洋会議が開催される。5日の世界環境デーと8日の世界海の日に合わせ、地球温暖化を防ぎ、海洋の持続可能性を促進する重要な会議だ。成果を期待したい。(2017/6/4)
posted by JCJ at 11:38 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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